大阪市に本社を置く大手肌着メーカーの「グンゼ」は、円安による原材料高などで業績が低迷しているアパレル事業の立て直しをはかるため、国内にある4つの工場の閉鎖と希望退職の募集を行うことを決めました。

発表によりますとグンゼは、構造改革の一環として、兵庫、山形、秋田の3県にある肌着の製造を行っている4つの工場を来年(2026年)の春以降、順次閉鎖し、国内生産は、京都府宮津市の工場に集約するということです。

また、国内にある9つの物流拠点については、京都府の綾部市と福知山市にある2つの物流センターをことし12月末以降、順次、閉鎖することを決めました。

閉鎖する拠点で働く従業員の処遇は、本人の意向を踏まえ、ほかの拠点への異動や再就職支援を行うとしています。

さらにアパレル事業の営業部門などで勤務する40歳以上の従業員を対象に、希望退職を募集することも明らかにしました。

グンゼのアパレル事業は、円安による原材料価格の高騰や物価高による買い控えなどで業績が低迷していて、拠点の集約と人員の適正化を行うことで、事業の立て直しをはかりたいとしています。

あわせて会社はことし6月までの3か月間のグループ全体の決算も発表し、一連の構造改革に伴う費用を特別損失として計上したことから最終的な損益は14億円の赤字となりました。

【綾部と福知山 地元では】
大阪市に本社を置く大手肌着メーカーの「グンゼ」が国内にある物流拠点のうち、京都府の綾部市と福知山市にある2つの物流センターをことし12月末以降、順次、閉鎖することを決めたことを受け、地元ではさまざまな声が聞かれました。

このうち、福知山市の60代の会社員の男性は「福知山の施設は自分が生まれるよりも前からあり、昔は午後5時ごろになるとたくさんの従業員が出てきて、バスを待っていたのをよく覚えています。閉鎖されるのはさみしいですが、建物がなくなったとしてもそのあとで土地がどのように活用されるかに期待したいです」と話していました。

また、福知山市の60代の自営業の男性は「福知山がだんだんとさびれていくようでさみしいです。グンゼは綾部が発祥の地元企業なので、どうにかしてまた羽ばたいてほしいです」と話していました。

地元自治体の綾部市は「会社側に確認したところ、市内で影響はほとんどないと聞いている。グンゼは市内で別の事業にも取り組んでいて、引き続き、事業の拡大を期待している」とコメントしています。

また、福知山市は「突然のことで驚いているとともに、大変、残念に思う。今後の地域経済の影響を注視するとともに、雇用などについて相談があれば、各関係機関と連携しながら、丁寧に支援していきたい」とコメントしています。

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