株式会社商船三井は、北國フィナンシャルホールディングスグループのケニア現地法人CC Innovation Africa Ltdと、アフリカ人材活用支援に関する業務提携契約を締結しました。
本提携により、教育水準が高く働く機会に恵まれないケニア人材を、日本企業の人手不足解消に活かす取り組みが進められます。両社のネットワークと実績を活かした連携で、ケニアを起点とした新たな国際人材流動の可能性が広がります。
ケニア人材の可能性に着目した商船三井の取り組み
株式会社商船三井は、これまで外国人船員の育成において長年の実績とノウハウを蓄積しており、その経験を活かして外国人人材コンサルティング事業を展開しています。
特に、アジア人材の確保が為替や他国との競争により難しくなっている昨今、ケニアに注目しました。ケニアは若年層の人口が多く、英語力をはじめとする教育水準が高い一方で、国内では就業機会が限られているという現実があります。
このような背景を踏まえ、商船三井は米国の非営利団体Labor Mobility Partnerships(LaMP)の支援を受けて、ケニアから日本への人材紹介を行う“Project Link”というパイロットプロジェクトを推進しています。
Project Linkは、日本企業の深刻な人手不足に対応しながら、ケニアの若者に国際的なキャリアの機会を提供する双方向的な価値創造を目指しています。
北國フィナンシャルグループのケニア拠点との連携
今回業務提携を結んだ相手は、北國フィナンシャルホールディングスグループのケニア現地法人CC Innovation Africa Ltdです。同社は2024年6月にナイロビで営業を開始したばかりで、日系銀行グループとして初めてアフリカに進出した現地法人です。
主に投融資およびビジネスコンサルティングを通じて、日系企業のアフリカビジネス展開を支援しています。
一方、商船三井はまもなくアフリカ東岸航路開設100周年を迎えるなど、長年にわたりアフリカ関連ビジネスに注力してきました。ケニア人材への関心も高く、同社のアフリカ事業とのシナジーを模索していたことから、今回の業務提携が実現しました。
両社の連携によって、ケニア人材の活用はより一層加速すると期待されています。
多様なアフリカ人材の紹介で日本の人手不足解消へ
今後、商船三井はCC Innovation Africa Ltdの持つチャネルやネットワークを活用し、ケニアのみならずアフリカ全体における多様な人材ニーズを収集・分析していきます。
そして、それらのニーズに応じた人材を日本企業に紹介することで、日本の人手不足という深刻な社会課題の解決に貢献するとともに、アフリカ各国の地域社会にも持続的な成長の機会を提供します。
単なる人材紹介にとどまらず、文化や業務習慣への理解を深める研修や、雇用後の定着支援などの体制づくりも見据えています。
このように、日ア間の新しい形の労働力連携が生まれることで、国際的な人材流動の枠組みが一歩進むことになります。
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