ドイツの鉱工業生産がほぼ1年ぶりの大幅な減少に見舞われた。欧州最大の経済規模を持つドイツが4-6月(第2四半期)に記録したマイナス成長は、速報値で発表された以上に深いのではないかとの見方が浮上した。
ドイツ連邦統計局が7日発表した6月の鉱工業生産指数は前月比で1.9%低下し、エコノミスト予想の下限をも大きく下回った。機械・設備、製薬、食品などが低調だった。
5月の数字も小幅な低下に修正されたため、4-6月全体では1%の生産減に相当するという。
ベレンベルクのチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏によれば、6月の鉱工業生産の落ち込みの大きさは、前期比0.1%の減少と先週発表された4-6月の国内総生産(GDP)が実際には0.2%だった可能性を意味する。
「これは重大な落ち込みで、第2四半期のGDPが下方修正されるリスクを示唆する」とシュミーディング氏は指摘。米国の関税発動前に前倒しで生産を増やした反動であり、「ツケが回ってきた」との見方を示した。
トランプ米大統領が示唆していた関税が現実のものとなり、ドイツの輸出企業には逆風が強まっている。
ポルシェやアウディといった自動車メーカーは業績見通しを下方修正し、他のメーカーも供給不足の深刻化を警告している。連邦統計局は5月の「異例に大きな修正」について、自動車業界のデータ修正が原因だったと説明した。
原題:German Industry Slumps Most in Almost a Year Amid Trade Turmoil(抜粋)
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