最低賃金の引き上げについて、厚生労働省の審議会は4日、全国平均の時給で63円、引き上げるとする今年度の目安を示しました。
額としては過去最大で、目安どおりに引き上げられれば、福島県でははじめて最低賃金が時給1000円を超えることになります。
最低賃金は、企業が労働者に支払う最低限度の賃金で、毎年、各都道府県の労働局が決定しています。
福島県の最低賃金は、全国平均を下回る、時給955円となっています。
ことしの引き上げの議論は、県内では先月から労使双方の代表者らによる審議が進められていますが、厚生労働省の審議会は引き上げ額について、全国平均の時給で63円とする目安を取りまとめ昨夜答申しました。
目安の額としては過去最大で、福島県の目安は63円です。
審議会では、物価の上昇が続いていることや、中小企業を含めた賃上げの流れが続いていることなどを踏まえたとしています。
目安どおりに改訂されれば、福島県では最低賃金がはじめて時給1000円を上回り、1018円となります。
福島労働局の審議会は、今回示された目安をもとに、労使のあいだでさらに議論を進め、今月中に最終的な金額を盛り込んだ答申をまとめることを目指すとしています。
【最低賃金“初の1000円超へ” 街の人は】
福島県の最低賃金が初めて1000円を超える見込みとなったことについて、福島市のJR福島駅前では様々な声が聞かれました。
このうち、30代のフリーターの男性は、「上がってくれたことはうれしい。賃金が上がれば生活は良くなると思います。福島県が良くなるといい」と話していました。
また、アルバイトをしているという17歳の女子高校生は、「上がってくれてよかった。貯金する額が増えたりとか、趣味を広げられて良いと思う。楽器をやっているので、新しい楽器を買いたい」と話していました。
一方、40代の自営業の男性は「労働者のことを考えれば賃金を上げることはすごく大事だが、雇用主からすると厳しい。賃金を上げるとなると、その分をどこから取ってくるのかが悩みだ」と話していました。
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