京都府北部では、この夏の厳しい暑さに加え、雨が少ない状況が続いていて、ため池の水が不足して田んぼが干上がったり、稲が枯れたりする被害が出ています。
京都地方気象台によりますと、府北部では厳しい暑さに加えて、先月(7月)の降水量が平年の1割ほどにとどまり、記録的な雨の少なさとなっています。
こうしたなか、府内のため池で最大規模の貯水量の福知山市の豊富用水池は、水位が大幅に低下していて、6月末ごろから出す水の量を制限せざるをえない状況になっています。
周辺の田んぼの一部では▼地面が乾いてひびが入ったり、▼稲が枯れたり、▼穂が出なかったりといった被害が出ていました。
ため池を管理しているコメ農家の芦田廣さんによりますと、この地区ではおよそ600人が豊富用水池の水でコメをつくっていて、近くの川からポンプで水をくみ上げるなどしていますが対応が追いつかず、一部の田んぼでは収穫をあきらめる農家も出始めているということです。
芦田さんは「どれだけの収穫量を確保できるのか不透明で、不安を抱えています。おいしいお米をみなさんに供給したいという思いなので、とにかく雨が降って、水を確保することがいま一番期待することです」と話していました。
福知山市農業振興課によりますと暑さと水不足による被害はほかの地区でも出ていて、市は職員を現地に派遣するなどして状況の把握を進めることにしています。
【京野菜 万願寺とうがらしにも影響 京都 綾部】
厳しい暑さと雨が少ない状態は京野菜の生育にも影響を及ぼしています。
京都府綾部市の農家、赤堀圭司さんと幸さんの畑では、旬を迎えている京野菜の万願寺とうがらしを農業用ハウスで栽培しています。
赤堀さんによりますと、梅雨明けからまとまった雨が降っていない影響で、2週間ほど前から農業用の用水路からほとんど取水することができない状況だということです。
このため、1日3回ほど近くの川からポンプで水をくんでトラックで運んでいますが、生育に必要な量の水を確保するのは難しいといいます。
また、猛暑の影響でハウス内の温度が45度以上に上がってしまう日があり、万願寺とうがらしが▼本来の20センチほどの大きさまで成長しなかったり、▼収穫前に腐ってしまったりする被害が出ているということです。
赤堀さんの畑ではことしの収穫量は1割から2割ほど少なくなってしまう見通しだということです。
赤堀圭司さんは「この作業が毎日続くと負担になってきています。生産量が減ると単価が少し高くなってしまうかもしれませんが、農家を応援するつもりで食べていただけるとうれしいです」と話していました。
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