カナダ各地で発生している数百件の森林火災により、煙やすすが同国最大の都市トロントや米国の中西部および北東部に広がり、大気質が健康に悪影響を及ぼすレベルに悪化している。
米国政府の大気質情報サイト「エアナウ」によると、3日早朝にはシカゴの大気質が中程度に悪化し、一部地域では敏感な人々にとって健康に有害なレベルとされた。ミルウォーキーやトロント中心部では健康に有害なレベルと判定された。カナダではノースウェスト準州からケベック州まで広域で、米国でもミネソタ州からメーン州にかけた10州で警報が出されている。
同日までに、ニューヨーク州ではハドソンバレーを除き、オールバニからニューヨーク市にかけたほぼ全域、さらにバーモント州全域およびメーン州のほぼ全域にまで影響が拡大した。カナダで2番目に人口の多い都市モントリオールでも状況が悪化し、敏感な人々にとって健康に有害なレベルに達している。
気象予報士らは、現在の気象パターンが当面続く見通しで、すぐに改善する可能性は低いと指摘している。
米国気象予報センターのシニア予報士、ボブ・オラベック氏は「全体的な気流は依然として西からのままで、大きな変化はなさそうだ。この傾向は今週いっぱい続くだろう」と述べた。
カナダ森林火災対策センター(CIFFC)によると、現在カナダ国内では730件を超える森林火災が発生しており、このうち少なくとも210件が制御不能な状態にある。これらの火災によって焼失した森林面積は660万ヘクタールに達している。今春から夏にかけて米国に度々煙が流れ込んでおり、1日にはシカゴで開催された音楽フェス「ロラパルーザ」にも影響を与えた。
カナダの森林火災による濃い煙がニューヨーク市を覆っている(7月26日)
Photographer: Thomas Hengge/NurPhoto/AP Photo
原題:Canada Fires Worsen Air Quality Across Midwest, Northeast US (1)(抜粋)
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