メキシコの経済状況
9日に発表された6月のCPIは前年同月比4.32%と5月の4.42%から鈍化した。予想の4.31%はやや上回った。前月比は0.28%と5月の0.28%から変わらず、予想の0.27%は上回った。コア指数は前月比0.3%から0.39%に上昇し予想の0.38%を上回った。前年比は4.06%から4.24%に上昇し予想の4.22%を上回った。
コアインフレ率は食料、たばこなどが4.6から4.9%に、住宅や教育などのサービスも4.5から4.6%に上昇した。
メキシコの1~6月の自動車輸出は166万6184台となり前年同月比で2.8%減少した。輸出台数はメキシコの進出している自動車メーカー12社のうち8社が減少した。
日本に続きEUも28日に米国と関税交渉に合意した。メキシコは現状30%の関税となっており今後の交渉で合意できるかどうか注目される。ただ関税交渉の遅延はいまのところペソの売り材料になっていない。
メキシコの金融政策
メキシコ中銀は6月26日に0.5%利下げを行い、政策金利を8%としました。予想通りの結果だった。しかし声明文では過去3回の金融政策決定で言及された「同程度」の利下げを検討するという文言が含まれなかったため、次回以降の会合では利下げペースが減速する可能性がある。
今回のCPIでは2か月連続4%という中銀のインフレターゲットを超えており、今後の利下げは8月と9月に0.25%の利下げが予想されている。
メキシコペソの投資戦略
7月のドルメキシコペソは18.71付近でスタートし18.53付近で推移している。(28日時点)15日に18.88付近まで上昇後に18.53付近に下落している。ドルペソは2月3日の高値21.2870付近から下落が続いており18.60付近と高値後の最安値まで下落している。
ドル安の流れもあるが年初に関税問題などでペソ売りが行き過ぎた分の買い戻しが続いているものと思われる。
ドルペソの下落トレンドは続いているが短期的には18.50付近がサポート、18.90付近がレジスタンスになっている。18.50を抜けた場合は18.20付近への下落を予想する。
7月のペソ円は7.668円付近でスタートし7.986円まで上昇し現在そのレベルで推移している。月間で3.8%ほど上昇している。ペソは対ドル同様に円に対しても堅調に推移している。
レジスタンスになっていた7.6円付近を6月から上抜けしてきており6.8円の安値後の高値まで到達している。ペソ高であり円安でもあり、ペソ円にとっては上昇トレンドが続いている。
8円付近は長期的にも重要なレジスタンスで、ここを抜ければ8.2円付近への上昇を予想する。8円が抜けられないようであれば7.7~8円のレンジを予想する。
【メキシコペソ/円 日足】
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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
YEN蔵 氏
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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