トランプ米大統領は、韓国と貿易合意に達したと発表した。自動車を含む韓国からの輸入品に15%の関税を課す一方、韓国側が米国のエネルギーや造船などの分野に対し総額3500億ドル(約52兆3000億円)の投資を行うことが盛り込まれている。韓国当局も合意を確認した。

  今回の15%の関税率は、数カ月にわたる通商協議の成果であり、韓国にとっては8月1日から発効予定だった25%の関税を回避する形となる。合意を受け、韓国株式が序盤の取引で上昇したほか、ウォンも対ドルで買われた。

  トランプ氏は30日、自身のソーシャルメディアへの投稿で「われわれは韓国に対する15%の関税で合意した。米国に関税は課されない」と表明した。

  今回発表された投資ファンドは、日本が確約した5500億ドルの投資と類似している。トランプ氏によると、日本と同様に政府系ファンド(SWF)になぞらえており、韓国の投資口座からの米国向け支出もトランプ氏自身の裁量の下で行われるという。

  ラトニック商務長官はX(旧ツイッター)への投稿で、米韓のファンドはいずれも利益の90%が米国に還元されると述べた。ただし、詳細は依然として不明で、日本との合意では双方が異なる解釈を示している。

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  韓国大統領府の金容範政策室長は31日の記者会見で、米国産の牛肉や米の輸入拡大については、今回の合意では回避されたと説明。一方、トランプ氏は投稿で農業分野も合意に含まれると示唆したが、詳細は明らかにしていない。

トランプ大統領は、韓国からの輸入品に15%の関税を課すことで合意したと述べた

Source: Bloomberg

  韓国総合株価指数(KOSPI)は序盤に上昇した後に小幅安に転じ一時0.2%安。ウォンは一時0.4%上昇した。

  ただし今回の合意は、韓国にとって依然として不確実性が残る。主力輸出品である半導体、電池、医薬品などには関税リスクがくすぶっているためだ。

  31日には具潤哲企画財政相とベッセント米財務長官の間で通貨問題が協議される可能性がある。さらに、在韓米軍やその駐留費負担の拡大を巡る問題も引き続き韓国にとっての懸案事項となっている。

自動車とエネルギー

  今回の合意に自動車が含まれたことは韓国にとって大きな成果だ。自動車は韓国の対米輸出の4分の1余りを占めている。

  トランプ氏は「韓国は米国との貿易に対して完全にオープンとなり、自動車やトラック、農産物など米国の産品を受け入れることにも合意した」と指摘。これは、韓国が米国の自動車安全基準で製造された自動車やトラックを追加要件なしで受け入れることを意味するとみられる。

  自動車とその部品には15%の関税が適用される一方で、鉄鋼とアルミニウムは今回の合意の対象ではないと、グリア米通商代表部(USTR)代表がブルームバーグに語った。

  また、ラトニック氏によれば、韓国は今後3年半で1000億ドル相当の液化天然ガス(LNG)などのエネルギー製品を購入する。

  こうした約束は欧州連合(EU)が今後3年間で7500億ドル相当の米国産エネルギーを購入すると表明したことに続くものだが、米国が各国との貿易枠組みの中で設定している供給量を満たすことができるのかとの疑問も強まっている。

  トランプ氏は、米国への投資およびエネルギーを中心とする購入へのコミットメントを、貿易枠組みの合意のための柱として重視している。

  トランプ氏はまた、韓国の李在明大統領が2週間以内に訪米し、首脳会談を行うと述べた。

  李氏は今回の合意について、輸出業者の不確実性を取り除き、韓国が主要国と対等以上の競争力を持って戦えるようになると強調。3500億ドルのファンドは、韓国企業の米国市場参入を後押しするもので、そのうち1500億ドルは造船業に充てると述べた。

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原題:US Sets South Korea Tariff Rate at 15% in Deal With Key Supplier(抜粋)

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