近畿地方は30日も気温が上がり、兵庫県丹波市では午後2時半すぎに41.2度を観測し、これまで国内で最も高かった記録を上回って過去最高を更新しました。
気温が高い状態はこのあとも続く見込みで、避難先でもこまめに水分を補給するなど、熱中症対策を徹底してください。

大阪管区気象台によりますと、近畿地方は30日も気温が上がり兵庫県丹波市では午後2時39分に41.2度を観測し、これまで国内で最も高かった2018年の埼玉県熊谷市と2020年の浜松市の41.1度を上回って過去最高を更新しました。

また、▽京都府福知山市では午後1時47分に40.6度、▽兵庫県西脇市では午後2時15分に40度ちょうどを観測しました。

気象台によりますと、国内で40度以上を観測したのはことし初めてで、近畿地方で40度以上を観測するのは、1994年8月に和歌山県かつらぎ町で記録した以来だということです。

このほか、▽京都市で39.6度、▽大阪・枚方市で39.2度、▽滋賀県東近江市で38.6度、▽奈良市で38.2度などと、各地で命に関わる危険な暑さとなりました。

気温が高い状態はこのあとも続く見込みで、気象台によりますと、31日、日中の最高気温は▽京都市で38度、▽大阪市や大津市、京都府舞鶴市、兵庫県豊岡市で37度などと予想されています。

また、熱中症の危険性が極めて高くなるとして31日も、津波警報が出ている和歌山県のほか、大阪府と京都府、滋賀県、兵庫県に熱中症警戒アラートが発表されています。

気象台は、避難先でも、こまめに水分や塩分を補給するなど熱中症への対策を徹底するよう呼びかけています。

【兵庫 丹波では】
国内の観測史上最も高い41.2度の気温を記録した兵庫県丹波市のJR柏原駅前では日傘をさしたり、携帯型扇風機をかざしながら歩く人の姿などが見られました。

駅前にいた高校3年の男子生徒は「本当に暑くて汗が止まりません。このアイスもさっき買ったばかりですが、もうベトベトです。本当に暑いです」と話していました。

別の高校1年の男子生徒は「本当に驚きしかありません。部活中は氷を用意するなどして熱中症にならないようにしています」と話していました。

60代の男性会社員は「丹波市で最高気温の日本記録が出るとは思いませんでした。じっとしていても顔があつくなり、ちょっと歩くだけで汗がふき出すくらい暑いです。生ビールをぐいっと飲みたいです」と話していました。

80代の女性は「とにかくびっくりしました。熱中症にならないように、水を飲んだり、自宅を締め切ったりせず、冷房も使っています。経験のない暑さで私たち高齢者にはとてもつらいです」と話していました。

【京都 福知山では】
京都府福知山市では午後1時47分に40.6度を観測し、ことし国内で初めて40度を超えました。

京都府内で40度以上を観測したのは気象台が統計を取り始めてから初めてです。

午後2時半ごろ、JR福知山駅の近くでは道行く人のほとんどが、日傘で日ざしを遮ったり携帯用の小型扇風機を首筋に当てたりしていました。

市内に住む70代の女性は「福知山は、暑さがいつも1位だったと記憶しています。もう少し涼しくなってほしいです」と話していました。

一緒にいた女性の孫も「暑さが1位でもうれしくない順位です。雨もたまには降ってほしい」と話していました。 

【記録的な暑さ 熱中症とみられる搬送相次ぐ】
記録的な暑さとなった関西2府4県では30日、熱中症とみられる症状で搬送される人が相次いでいます。

このうち、大阪市では70代の男性が重症となっています。

関西2府4県の府庁や県庁がある市と政令指定都市、あわせて7つの市を対象にNHKが午後4時の時点で各地の消防を取材したところ、熱中症とみられる症状で搬送された人は72人にのぼっています。

自治体別でみると、▼大阪市で37人▼大阪・堺市で12人、▼京都市で8人、▼神戸市で8人、▼奈良市で4人▼大津市で2人、▼和歌山市で1人となっています。

このうち、大阪市では、70代の男性1人が重症となっています。

消防や自治体は、水分を十分とるなど、熱中症に警戒するよう呼びかけています。

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