自動車メーカーのステランティスは29日、関税で年後半に約12億ユーロ(約2100億円)の損失が発生するとの見通しを示した。ジープやフィアットを傘下に持つ同社は、欧州連合(EU)と米国との通商合意を受け、業績予想を見直した。

  ステランティスは、今年後半の調整後営業利益率が1桁台前半になるとしている。同社は4月、関税を巡る混乱を理由に通期見通しを撤回していたが、さらに下方修正した。また、7月には、投資削減と通商対立によるコスト増を受けて、上半期に23億ユーロの想定外の純損失を計上したと発表していた。

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  新たに就任したアントニオ・フィローザ最高経営責任者(CEO)は、自動車市場の変化や過去の失策の対応に追われている。トランプ米大統領の貿易政策がコストを押し上げ、グローバルなサプライチェーン(供給網)を混乱させる一方で、比亜迪(BYD)をはじめとする中国メーカーが、停滞する欧州市場に攻勢をかけている。

  ステランティスにとって最も深刻なのは、かつては利益の柱だった北米市場だ。同地域の4-6月期(第2四半期)の出荷台数は25%減少した。関税は追加コストを招き、営業利益や純利益を圧迫している。部品価格が上昇し、カナダとメキシコでの生産を一時停止したため、同社は上半期の生産量も減少している。

  29日に発表した今年1-6月の売上高は、欧州、北米、中東、アフリカでの納車台数が減少し、前年同期より減少した。一方、アルゼンチンでの需要増を背景に、南米では納車が増加した。同社は、フィアット・グランデ・パンダなどの新製品の効果もあり、2024年下半期と比べて、販売台数、売上高、営業利益が改善していると述べた。

  ステランティスの株価は29日のミラノ市場で一時5.7%下落した。今年に入ってからの下落率は約37%に達している。

原題:Stellantis Sees €1.2 Billion Tariff Hit in Second Half (1)(抜粋)

(詳細を追加し更新します)

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