中国にあるNEW NEW TOWNの店舗
(尾松 洋明:ガチャガチャ評論家)
日本で空前のブームを巻き起こしているガチャガチャ。現在、全国でガチャガチャ専門店の数は800店舗を超え、その独特のカプセル文化は、大人から子どもまであらゆる層に浸透しています。
専門店(バンダイやタカラトミーアーツを除く)は、国内にルルアークが運営する「ガチャガチャの森」、トーシンの「#C-pla(シープラ)」、ドリームカプセルの「ドリームカプセル」の3大専門店があります。
最近では、2024年に大和PIキャピタルがドリームカプセルの株式を譲受。2025年4月にはオリックスが「ガチャガチャの森」などを運営するルルアークを買収しました。一般企業が国内専門店に注目するほど、市場は活性化しています。
また、ガチャガチャの商品も人の嗜好に合わせ多様化し、アニメキャラクターや動物、ミニチュア、フィギュアなど、多彩なジャンルが次々と登場しています。単なる“子ども向けの遊び”を超えたカルチャーとしての地位を確立したと言えるでしょう。
そんな日本のガチャ文化が今、海を越えて中国という新たな市場に挑もうとしています。旗振り役となっているのが、中国でガチャガチャを展開するガチャガチャ専門店の「NEW NEW TOWN」です。
6月30日、NEW NEW TOWNを運営する玩具メーカーのブランド担当者に話を聞く機会に恵まれました。そのインタビューからは日本で培ったガチャのノウハウを武器に、ガチャガチャ未体験地、中国で新たな価値を生み出そうとする強い意志と戦略が見えてきます。
NEW NEW TOWNというブランド名には、いくつもの意味が込められています。「NEW」は英語で「新しい」を意味し、「ニュウダン(扭蛋)」は中国語で「ガチャガチャ」を表す言葉です。
これらを掛け合わせることで、“新しいガチャの街=NEW NEW TOWN”というメッセージを生み出し、「ガチャを中心にした新しい街、カルチャーの発信地を中国に築く」というビジョンを体現する名前となっています。
実際、このブランドが取り組んでいるのは、ただの物販ではありません。日本の“遊び”を、中国にとっての“文化”に変換すること。そして、その文化を担う街をつくることです。
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