これまで多くのアナウンサー、モデル、タレントを輩出してきた、日本一の大学新入生を決めるミス・コンテスト「FRESH CAMPUS CONTEST」(通称:フレキャン)。2024年大会でライブ配信によるSHOWROOMファイナル審査にて優秀な成績を収め、「ENCOUNT掲載権」を獲得したファイナリストにインタビューを実施。今回ピックアップするニュージーランド出身の法政大・稲垣瑠奈さんは、大学生になって初めて日本で生活すると文化の違いに驚きの連続だったという。将来はエンターテインメント関連の会社を作るのが夢といい、4月からアイドル活動も始めた。そんなアクティブな20歳の素顔に迫った。(取材・文=福嶋剛)
「1000人の中の1人に選ばれた」 成金イメージが先行する有名社長の“本当の顔”
――稲垣瑠奈さんは生まれも育ちもニュージーランドだそうですね。
「はい。父が日本の自動車メーカーでメカニックをやっていてニュージーランドの工場で働いている時に私が生まれました。母は歯科助手をしていて両親は今もニュージーランドに住んでいます。私だけ大学に進学するため日本に戻ってきました。生まれてから数えるくらいしか日本に帰っていなかったので最初の頃はカルチャーショックが大きかったです」
――どんなことに驚きましたか。
「たくさんあります。やっぱり一番大きかったことは譲り合いとかマナーを守る習慣が日本と向こうでは全然違います。日本では例えばエスカレーターを待つ順番もほとんどのみなさんが譲り合って列を作るじゃないですか。車も1台ずつ順番を守って譲ったりとか。ニュージーランドは『入ってこないあなたが悪い』という考え方なので日本は優しいなって感じました。街を歩く人もニュージーランドは結構靴を履かずに裸足で歩いている人もいるんです。男性は上半身裸の人、女性も露出の多い服装の人が多くて自由ですね。私はちゃんと服を着ていましたけど(笑)。もう1つ大きかったのはカラオケです。ニュージーランドにはカラオケボックスがないので、日本に来て結構衝撃でした。噂には聞いていたんですが、気軽に歌えて休憩所とかにもなる場所ですよね。『やっぱり日本ってすごいな』って(笑)」
――学校も違いましたか。
「違いました。向こうは多様性の教育が盛んで学校側が積極的にLGBTQ+を理解する場を作っているので、私たちもそれが当たり前だと思って生活していました。友だちと話すときも最初に平気で『恋愛対象はどんな人』って聞いています。ほかにも日本にはない自由さがありました。私は子どもの頃、発明家になりたいという夢があって、中学ではロボット関係のエンジニアを目指すプログラミングやデザイン系の授業を受けられました。ゲームを作ったり、大好きな日本のアニメを見ながら自分の好きなアニメキャラクターを参考に3Dモデルを作成したり……そこは宿題やレポートを提出したら、あとは自由に過ごせる学校で楽しかったですね。また、近所には無料で音楽レッスンを受けられるところもあって、フルートやバイオリンなど5つぐらい楽器もやっていました」
――そんな自由な国でのびのび育った稲垣さんが、なぜ日本に戻ろうと思ったのでしょう。
「このまま日本人なのに日本の文化に触れないで大人になるのはもったいないと思いました。こちらでクリエーター系の勉強をしているうちに好きなエンターテインメントのお仕事ができる会社を自分で経営したいという具体的な将来の目標を持ち始め、『経営の勉強をするために日本の大学に通いたい』と両親に相談しました。母には大反対されましたけど、説得して1人で日本に来ました。最初は保証人もいない中で苦労してアパートを探したり、知らないことばかりで、私にとっては一つひとつが発見の連続でした」
――では、ミスコンに応募したきっかけは。
「日本に来てからミスコンというものに興味を持つようになって、フレキャンを見つけました。しかも新入生しか応募できないというルールを見て今しかないと思い、エントリーしました」
――やってみていかがでしたか。審査はライブ配信で視聴者を集める形でした。
「とにかくみなさんに配信を楽しんでもらうために、楽しめるような企画をいっぱい考えながらやっていました。ニュージーランドの話もいっぱいしましたし、手品をやったり、影絵をやったり、楽器演奏も披露したり、お料理も作ったり。たくさんのみなさんに応援いただいたので、私を信じてきてくれた方々のためにも絶対にグランプリを獲りたいって言い続けて全力で頑張りました」
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