米国に拠点を置く資産運用会社ブルックフィールドは、保険会社がリスクを分散するために利用する再保険事業を日本で強化する。国内の市場拡大を見込み、人員を今後5年で20人超に増やす方針だ。

  再保険事業を手掛けるブルックフィールド・ウェルス・ソリューションズのサチン・シャー最高経営責任者(CEO)がブルームバーグのインタビューに応じた。日本は同社にとって米国に次ぐ「2番目の主要市場となる可能性がある」と述べた。

  現在、多くの日本の生命保険会社とパートナーシップを結ぶ協議を進めている。日本法人には現在2人が在籍する。「5年後には、事業全体の拡大で、20ー25人超に増えるだろう」と語った。

  日本の保険市場は世界有数の規模だ。生命保険協会によると、2024年3月末時点の個人向け生命保険と年金保険契約高は計892兆8920億円に上る。再保険契約はまだ市場規模が小さく、成長の余地が大きいとみて外資が参入している。

  例えば米投資ファンドのKKRやアポロ・グローバル・マネジメントなど大手投資会社が管理する企業が、保険を裏付けとする資金運用の契約を進める。ブルックフィールドも本格的に参戦する。

  プライベートエクイティー(未公開株、PE)ファンドらが注力する再保険契約では、生保が保険契約の管理と支払いの責任を負い、再保険会社は債務を肩代わりすると同時に多額の資産を受け取る。資金の運用により、保険契約者に支払う以上の運用益を生み出して利益を確保する。

  シャー氏は年間30億-50億ドル(4400億-7350億円)の再保険契約を目指すと説明した。同社ではおよそ50-60%を債券に、残りはインフラと不動産に振り向ける。

  不動産やインフラは、同社が「30年以上投資を続けてきた分野」だと強調した。「市場競争が少なく、より高いスプレッド(差益)を稼ぐことができる」とシャー氏は述べた。

  プライベート・クレジットについては「多くのPEファンドが過度に参入したため、現在のリターンは低くなっている」との見方を示した。

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