23日の米国株は続伸。米国が日本と通商協議で合意し、欧州連合(EU)とも同様の合意を結ぶとの観測が強まる中、買いが優勢となった。

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株式終値前営業日比変化率S&P500種株価指数6358.9149.290.78%ダウ工業株30種平均45010.29507.851.14%ナスダック総合指数21020.02127.330.61%

  S&P500種株価指数は過去最高値を再び更新。EUと米国は、米国が輸入する大半のEU製品に15%の関税を課す内容で合意に向けて前進していると複数の外交筋が明らかにした。ウエアラブルカメラメーカーのゴープロやドーナツ店チェーンのクリスピー・クリームが急伸し、「ミーム株」の復活が示唆された。通常取引終了後にはアルファベットとテスラが決算を発表。アルファベットは売上高が市場予想を上回った一方、2025年通期の設備投資額が従来予想を上回るとの見通しを示した。テスラは利益、売上高共に市場予想を下回った。

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S&P 500 Hits All-Time Highs As Earnings Roll In

通商合意への期待で株は上昇

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  ネーションワイドのマーク・ハケット氏は「8月1日の期限を前に、通商合意に向けた勢いが加速している」と指摘。「低ボラティリティーの中で株式相場が着実に上昇していることを考えると、『単調な相場では売るな』という相場格言は的を射ているように思われる」と述べた。

  EUと米国は全面的な貿易戦争を回避するため、ここ数週間に協議を加速させてきた。EU側は合意成立を楽観しているが、交渉は依然として流動的だと、ブルームバーグ・ニュースは報じた。

  トランプ政権の貿易交渉を担当する閣僚2人は、日本との合意にこぎ着けた自らの交渉アプローチを自賛した。8月1日の期限を前に交渉が続くEUにとって、好例になるかもしれないとの認識を示した。

  ラトニック米商務長官は、米国に数千億ドルの投資を約束して合意を成立させた日本は、EUにとってモデルに「なり得る」と語った。一方でベッセント財務長官は、EUが日本と同様の貿易合意をトランプ大統領と結べるかについて明言を避けた。

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  BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン、ベイル・ハートマン両氏は「8月1日の期限が迫る中、最近の通商合意発表は投資家に安心感を与えている」と分析。「貿易戦争での状況改善は明確な方向性を与え、市場が新たな世界の貿易環境を織り込む動きを後押しするだろう」と述べた。

  インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トレス氏は、今週の通商合意に関するニュースが、株式市場に見られる「アニマルスピリッツ」を後押ししていると指摘。「こうした合意は経済成長見通しを押し上げ、企業利益の拡大が今後も順調に続くという信頼感を投資家にもたらす」と述べた。

  一方でトレス氏によれば、市場参加者の間では収益見通しに対する不安から、企業が力強い売上高と利益を出しつつ、明るい業績予想を示せるかについて懐疑的に見る向きもあるという。「これから発表される四半期決算はウォール街で好意的に受け止められそうだ。4-6月(第2四半期)の経済活動は好調であり、先行きにも明るさが見えてきている」と述べた。

国債

  米国債相場は下落(利回りは上昇)。日米が貿易合意に至ったため、資金逃避の動きが和らいだことが背景にある。午後に実施された20年債入札は堅調な需要を集め、高水準の金利が続く中で投資家が長期債を買い進めようとしていることが示唆された。

国債直近値前営業日比(bp)変化率米30年債利回り4.94%2.10.42%米10年債利回り4.38%3.60.82%米2年債利回り3.88%4.71.22%  米東部時間16時47分

  入札後、ニューヨーク時間の午後早い段階で20年債利回りは4-5ポイント上昇。10年債利回りはこの日の最高付近となる約4.39%に上昇した。

  オックスフォード・エコノミクスのアナリスト、ジョン・キャナバン氏は「入札結果は、市場にとってはやや強材料だ」と述べた。

  20年債の銘柄統合入札(追加発行額130億ドル)では、最高落札利回りが4.935%と、入札前取引を下回った。キャナバン氏はこの結果について、需要が「非常に強い」ことを示していると指摘。応札倍率は過去1年余りで最も高かったと述べた。

  米20年債入札は、アジア時間に生じた市場の不安感を和らげた。日本で行われた40年債入札では、応札倍率が2011年以来の低さとなり、新発10年国債利回りは2008年以来の高水準を付けた。

為替

  外国為替市場ではブルームバーグのドル指数が下落し、円は上昇。日米通商合意の発表に反応した。ドルは主要10通貨に対しては高安まちまちな展開。

為替直近値前営業日比変化率ブルームバーグ・ドル指数1193.01-2.79-0.23%ドル/円¥146.48-¥0.15-0.10%ユーロ/ドル$1.1772$0.00180.15%  米東部時間16時47分

  上乗せ関税を巡る8月1日の期限が迫る中、1週間物リスクリバーサルを含むオプション市場のセンチメントは、全期間でドルの弱気傾向を示している。

  米国債は全年限で下落。シュローダーの米債券責任者リサ・ホーンビー氏はブルームバーグテレビジョンで、「大局的に見た場合、日本の利回りが上昇していることに注目すべきだ」とし、「国外での利回り上昇は、米国債への追加的な需要をある程度抑える可能性がある」と分析した。

  円は対ドルで一時下げる場面もあったが、総じて堅調。一時146円11銭に上昇した。

ドル・円相場の推移

 

 

原油

  ニューヨーク原油先物相場はほぼ変わらず。現物市場では弱含みの兆候も台頭したが、米国と主要貿易相手国・地域による関税交渉進展への期待から株式相場が上昇したことが追い風となった。

  米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫が6月以来の高水準に達したことを嫌気して、売りが膨らむ場面もあった。

  留出油在庫も2週連続で増加した。一方、米国全体の原油在庫は減少。ディーゼル在庫もこの時期としては1996年以来の低い水準にとどまっており、相場の支援材料となった。

  データ分析会社ケプラーの米州担当リード原油アナリスト、マット・スミス氏は「クッシングの在庫動向は最も注目すべきポイントだ」とし、今後数週間に在庫がさらに積み上がるとの見方を示した。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日比6セント(0.1%)安の1バレル=65.25ドル。ロンドンICEの北海ブレント9月限も0.1%下げて68.51ドルで引けた。

  金相場は4営業日ぶりに反落した。米国との関税交渉で日本が合意に達したことに加え、欧州連合(EU)との交渉も進展していると伝わり、貿易戦争を巡る懸念が後退。安全資産としての妙味が薄れた。

  金スポット価格は一時約1.5%下落した。今後もトランプ政権と中国を含めた貿易相手国・地域の関税交渉の行方に注目が集まる見通しだ。

  金は年初来で約30%値上がり。トランプ大統領の関税政策を巡る不透明感に加え、ウクライナや中東での紛争が金への逃避買いを後押ししている。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時2分現在、前日比38.65ドル安の1オンス=3392.83ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は46.10ドル(1.3%)下げて3397.60ドルで引けた。

原題:Stock Rally Builds on Hopes for US-EU Trade Deal: Markets Wrap(抜粋)

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