岐阜和傘や岐阜提灯、伝統工芸品の魅力と物語を伝える岐阜市の「CASA Stella」へ
古くから長良川の水運を利用した川湊として栄えてきた、岐阜市の川原町エリア。町家や蔵などが立ち並ぶ景観が守られた町並みに、今春、新たな文化観光施設がオープンしました。岐阜市が誇る伝統工芸品、岐阜和傘のお店や岐阜提灯のギャラリーをはじめ、アンティーク着物のレンタルサービス、岐阜のソウルフードが味わえるお店までそろった多彩なラインナップです。岐阜が誇る工芸品の魅力とじっくり向き合える、新たなスポットをご紹介します。
築100年以上の建物をリノベーション
JRや名鉄の岐阜駅周辺から車やバスで15分ほどの湊町・玉井町・元浜町辺りは、川原町と呼ばれるエリア。格子戸のある日本家屋が立ち並ぶ趣のある町並みで、町家を生かしたお店をめぐり、散策する人も増えています。町並みの一画に、今年3月オープンしたのが「CASA Stella(カーサステラ)」。かつて和紙の原料問屋を営んでいた築100年以上の建物、松井邸をリノベーションして生まれた施設です。
岐阜では古くから、長良川の上流から集められた美濃和紙や竹、防水用のえごま油などを使って、和傘や提灯の生産が盛んでした。現在も岐阜が誇る伝統工芸品である岐阜和傘や岐阜提灯の物語や魅力を、広く伝える拠点として設けられたのが「CASA Stella」です。また、川原町を訪れて岐阜提灯に出会った世界的彫刻家、イサム・ノグチがデザインした照明「AKARI」シリーズのギャラリーがあることでも注目されています。
全国で唯一の岐阜和傘専門店
1階にある「和傘CASA」は、全国で唯一の岐阜和傘の専門店。和傘には舞踊用や祭事用などさまざまな種類がありますが、こちらでは雨傘や日傘といった日常で使える岐阜和傘を常時60本ほど取りそろえています。販売するだけでなく、岐阜和傘の文化や歴史を伝えるという目的も大切にしているこちらのお店。和傘が並ぶ棚の向かい側では、和傘の構造や製作工程を写真やイラストを添えて、わかりやすく解説しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
職人が1本を仕上げるのに2ヶ月以上かかるという岐阜和傘。和紙の色や模様、しなやかに伸びる竹の骨や繊細な糸かがりなど、細部まで作りこまれた美しさに魅了されます。雨傘と日傘の違いや、比較的サイズやバリエーションの豊富な日傘のデザインなどを見比べながら、お気に入りの1本を探してみてはいかがでしょう。
やわらかな光に心が安らぐ岐阜提灯のギャラリー
2階に上がると、提灯が集められたコーナー「OZEKI川原町ギャラリー」があります。1891年創業の株式会社オゼキによる岐阜提灯のギャラリーで、伝統的な岐阜提灯からモダンなタイプまで多彩な提灯に出会えます。伝統工芸士が手がけた伝統工芸品の存在感は格別。造形美や繊細な草花の絵柄に魅せられます。現代の暮らしにも取り入れやすそうなシンプルなデザインのものには、時代に寄り添って変化する提灯の新たな可能性も感じられます。
「AKARI」が浮かぶ幻想的な空間
同じく2階にあるのは、イサム・ノグチがデザインした照明を常設している「AKARI gallery」です。岐阜提灯の技術に触発されて、光の彫刻として「AKARI」を生み出した彼は、35年間で200種類以上をデザイン。現在も株式会社オゼキによって製作が続けられています。
重厚なたたずまいの町家とAKARIのコラボレーションを味わえる、ぜいたくな空間。購入を考える人にとってはいろいろなデザインを見比べられるうれしさもあり、AKARIのファンにも、ここで初めて出会う人にも貴重な場になっています。
古い町並みに似合うアンティーク着物
1階には、アンティーク着物のレンタルと着付け、販売を行う「ORGANキモノ」も。昭和時代のレトロな柄の着物と、古いものではありませんが伝統的な柄が中心の浴衣がそれぞれ50着以上そろっています。川原町の古い町並みに似合う和の装いに着替えて、街歩きしてみるのもいいですね。和傘CASAでは、和傘のレンタルをしているので、あわせてコーディネートするのもよさそうです。レンタルは完全予約制なので、事前に予約してでかけてくださいね。
ここならではの魅力が詰まった見逃せないスポット
川原町の新たなマストスポットになりそうな「CASA Stella」、いかがでしたか?岐阜の魅力の奥深さを感じる、出会いや発見がありそうです。ご紹介した以外に、岐阜のソウルフード“冷やしたぬき”が味わえる「冷やしたぬき天国 川原町店」もあるので、グルメでも岐阜を満喫することができますよ。岐阜市観光のプランに加えて、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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