イタリア、刑務所収容能力を1.5万人拡大へ 過密問題が深刻化

 7月23日、イタリア政府は、刑務所の収容能力を最大1万5000人拡大し、依存症問題を抱える受刑者の治療センター移送を支援すると表明した。鍵を持つ刑務官の手。2024年3月、ミランにある刑務所で撮影(2025年 ロイター/Claudia Greco)

[ローマ 23日 ロイター] – イタリア政府は、刑務所の収容能力を最大1万5000人拡大し、依存症問題を抱える受刑者の治療センター移送を支援すると表明した。長年の過密問題に対処するためという。

昨年は受刑者の自殺が過去最多を記録したほか、空調のない拘置施設における夏の高温に苦情が相次ぐなど、受刑者の窮状に注目が一段と高まっている。

司法省のデータによると、7月15日現在の国内の受刑者は6万2986人、刑務所の有効収容能力は4万7289人で、収容率は約133%と欧州で最悪の水準となっている。

世界刑務所概要データベースでは、収容率がイタリアより悪いのはキプロスとフランスのみ。

メローニ首相は22日に発表した声明で、「公正な国家は、刑期を務める必要がある受刑者の数に応じて刑務所の収容能力を調整すべきとわれわれは考えている」と述べた。

政府は、2027年までに収容能力を約1万人拡大するため、7億5800万ユーロ(8億9000万ドル)規模の計画を提出。また、5年以内に5000人分の収容能力を追加する計画も提示したが、予算額は示されていない。

さらに、アルコールや薬物中毒の受刑者について、相当数が刑務所外のリハビリ施設で刑期を務められるようにする法案も提出*。今後議会の承認が必要。

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