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LEDディスプレイメーカーのINFiLEDは、フランスのAVシステムインテグレーターND Tech Medと協力し、モータースポーツの象徴的な施設であるポール・リカール・サーキットに、ヨーロッパ最大級となる特注の透明LEDディスプレイを設置した。

このディスプレイはサーキットのメインエントランスのファサード全体、32枚のガラスキャノピー窓を覆うように設置され、総面積は15m×5.4m(81平方メートル)におよぶ。ライブ中継やインタビュー、スポンサーニュースなどを放送し、来場者をコースサイドに到着する前から魅了する。


野心と革新が生んだ壮大なビジョン

1970年の設立以来、F1やル・マンなどのトップレースを開催してきたポール・リカール・サーキットは、常に野心と革新を追求してきたという。チームは、エントランスのセンターピースとして巨大な透明LEDスクリーンを構想した。


その目的は、ゲストに即座に強烈な印象を与えるだけでなく、レースのライブ中継による興奮の醸成、パートナーやスポンサーへの新たなマーケティング機会の提供とブランド価値の向上、広告収入の増加、そして自社のブランド構築ツールのサポートにあったという。





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ゼロからのカスタムビルドという挑戦

ヨーロッパ最大級の透明LEDスクリーンを実現するには、同社の柔軟なDIY式LEDディスプレイの豊富なラインナップをもってしても、多くの技術的課題が存在した。


スクリーンは32枚のガラスキャノピー窓にミリ単位の精度で正確にフィットさせる必要があった。各窓には独自にカスタム設計された透明パネルが必要だったが、全体的な視覚的一貫性は維持する必要があった。


視認性と開放感を両立する最適な透明度の調整、あらゆる角度からの視認性を確保する視野角、そして巨大なスクリーンを支える構造的完全性の確保も必要だった。


透明度が高すぎると、観客は幽霊を見ているように感じる。低すぎると、開放的で軽やかな雰囲気が失われるため、最適な透明度レベルに調整しなければならない。


あらゆる方向から訪れる来場者のために、どの角度からでも完璧な視認性も求められる。


巨大なスクリーンを支える構造的完全性も確保しなければならない。透明LEDスクリーンは軽量だが、大規模になると負荷も大きくなる。熱膨張に対応し、ガラスを破壊しない強力な固定具が必要になる。


INFiLEDのフランス現地チームとパートナーのND Tech Medは、このプロジェクトをフランスのオートクチュールになぞらえ、ゼロから設計する完全なカスタムビルドとして着手した。


パートナーシップによるソリューションの実現

プロジェクト成功の鍵は、両社の緊密なパートナーシップにあった。ND Tech Medは初期段階から貴重な情報を共有し、INFiLEDのバルセロナのショールームへの視察や、サーキットでの3回にわたる実地デモを経て、コンセプトを具体化していった。


LEDディスプレイはゼロから設計し、32枚の窓それぞれに3つの特注パネル、合計96枚の透明パネルを設計・製造した。スクリーンの総面積は15m×5.4m(81平方メートル)におよんだ。




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遠距離からの視認性を考慮し、ピクセルピッチは4mm-8mmが選択された。また、固定具は強度と柔軟性を両立させ、レース当日のいかなるトラブルも許されないメインエントランスにおいて、容易な設置とメンテナンスを実現している。


INFiLEDは、ポール・リカール・サーキットの新しいLEDスクリーンについて、ただ暖かく、大胆で、ダイナミックな歓迎の意を示すだけではなく、建築的なステートメントだとしている。16年以上にわたり200以上の特許を持つ同社だからこそ、今回のプロジェクトではすべての要素で専用のカスタムビルドを可能にしたという。同社は今後もこのような複雑で野心的なプロジェクトに取り組んでいく姿勢を示している。





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