カナダのカーニー首相は22日、米国との通商交渉がトランプ政権の度重なる方針変更で難航していると述べ、関税発動期限前の妥結に対する期待にブレーキをかけた。

  カーニー氏はオンタリオ州ハンツビルで州首相らと会談後、記者団に対し「カナダは不利な合意を受け入れるつもりはない。何が何でも合意すればいいというわけではない。カナダ国民の利益になる合意を目指している」と述べた。

  トランプ大統領は自動車と鉄鋼・アルミに対するセクター別関税に加え、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の基準に適合しないカナダ製品に8月1日から35%の関税を課すと通告。カーニー政権は8月1日までの対米合意を目指して交渉を進めている。カナダ側は、こうしたセクター別関税はトランプ氏が政権1期目に署名したUSMCAに違反していると主張している。

  米国との通商交渉を主導するルブラン・カナダ・米国貿易担当相は週内に首相府スタッフと共にワシントンを訪れる予定。ルブラン氏の報道官は、誰と面会するかについてコメントを控えた。

Prime Minister Mark Carney Holds News Conference

オンタリオ州ハミルトンのイベントに出席したカーニー加首相(7月16日)

Photographer: Arlyn McAdorey/Bloomberg

  両国が8月1日までに合意に達しなかった場合について、カーニー首相は「状況を見極める」と述べたが、カナダ政府が正式に対抗措置を講じるかどうかについては明言を避けた。

  カーニー氏はこれまで、鉄鋼・アルミ関税に対し対抗措置は取ってこなかった。ただ先月には、米国産金属に課している25%の報復関税を交渉の進展次第で「調整する」と述べ、合意に至らなければ引き上げる可能性を示唆した。

  カーニー氏はまた、対米合意を目指す一方で、米国以外の貿易相手国との関係強化にも注力する方針を示し、「カナダともっと取引をしたいという国々からの電話が鳴り止まない」と述べた。

  トランプ氏はカナダに対し、国境警備強化や国防費の増額、デジタルサービス税(DST)の撤回、農業分野の保護政策の見直しなどを要求してきた。カナダ政府はこのうち最初の3項目には対応済みだが、トランプ氏は関税引き上げの脅しを強めている。

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