デンツァを急速展開

BYDは、英国で高級車ブランド『デンツァ(騰勢、Denza)』の事業拡大を図っている。独自のディーラー網を構築し、ランドローバー・ディフェンダーなどと競合するSUVモデルを展開する計画だ。

デンツァは、7月10~13日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2025で英国デビューを果たし、シューティングブレークの『Z9 GT』、大型SUVの『B5』、高級ミニバンの『D9』を披露した。BYDの副社長、ステラ・リー氏はAUTOCARに対し、この3車種は欧州の高級車市場を揺るがす野心的な計画の始まりにすぎない、と語った。

デンツァのZ9 GT(左)とB5(右)デンツァのZ9 GT(左)とB5(右)

「わたし達にはプレミアムが必要です」とリー氏は説明する。「今年(グッドウッドで)は、デンツァの3つのプレミアムモデルを展示しています。これらはプレミアム領域に重点を置いた、まったく新しい体験を提供するモデルです」

英国向けの最初のモデルはZ9 GTで、2026年第1四半期にEVとプラグインハイブリッドの2種類が投入される。その数か月後にD9のプラグインハイブリッドが発売され、そして合計出力686psのB5が年末までに発売される予定だ。

B5は、BYDのSUV専門サブブランド、ファンチェンバオ(方程豹、Fangchengbao)のシリーズとして昨年中国で発売された。ただし、欧州ではデンツァブランドから販売されることになる。リー氏は、他のファンチェンバオモデルもデンツァのブランド名で投入する計画だと述べた。

単なるサブブランドではない

このラインナップには、トヨタ・ランドクルーザーやランドローバー・ディフェンダー130を彷彿とさせる大型のプラグインハイブリッド『B8』や、中型電動クロスオーバーの『Tai 3』もある。

リー氏はまた、大型電動SUVのBYD『N9』を、欧州向けのデンツァのラインナップ候補として挙げた。このモデルは、来年発売されるレンジローバー・エレクトリックのライバルとして位置付けられる。

中国で販売されるファンチェンバオB8中国で販売されるファンチェンバオB8    BYD

リー氏は、より具体的な発売計画については言及を避けたが、デンツァのラインナップは6か月ごとに1車種程度のペースで拡大するとの見通しを示した。

デンツァは英国では独立したブランドとして展開され、既存のBYDショールームとは別に独自の店舗を構える予定だ。単なるBYDのサブブランドとして見られないようにしたい考えだ。

「デンツァは高級ブランドであることを人々に理解してもらうことが重要です」とリー氏は述べ、デンツァをアウディに、BYDをフォルクスワーゲンに例えた。

技術力にも自信あり

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