汗をかくたびにはがれる“キャプテンマーク”を、リベロの山本智大に貼り直してもらいながらのキャプテンデビューだった。

 現在開催中のネーションズリーグ(VNL)千葉大会3日目のブラジル戦で、高橋藍(23歳)は初めて日本代表でゲームキャプテンを務めた。

 前日の試合後、右肩痛のあるキャプテン石川祐希がブラジル戦でベンチから外れることになり、ロラン・ティリ監督から「ラン、明日キャプテンを任せるから」と告げられた。

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 ユニフォームの胸の「12番」の下に即席で白いテープを貼ってキャプテンマークを拵え、コートに立った。

「別にそれほど特別な部分はなかったです。もちろんキャプテンなので、しっかりとチームを引っ張っていく部分と、あとは今日ブラジルが相手ということで少し、なんというか、難しい試合になるだろうなという雰囲気があったので、そうじゃなくて、やっぱり自分たちが勝ちにいくんだという姿勢がすごく重要だと思っていました」

好調なブラジルとの一戦

 今年のVNLは大接戦となる中、日本は千葉大会でドイツ、アルゼンチンに連勝し、ファイナルラウンド進出に王手をかけた。残るブラジル、アメリカ戦のどちらかで1勝すればファイナルラウンド進出が決まる可能性が高かった。

 今大会首位と好調なブラジルが相手で、日本にとっては3連戦となるこの試合、ティリ監督の頭には様々な計算があった。大事を取って石川をベンチから外し、高橋にも「途中で代えるかもしれない」と伝えていた。

 それでももちろん選手は勝利を目指す。高橋は「しっかり自分たちが攻めることを意識して、常にコミュニケーションを取っていましたし、ただ戦うだけじゃなく、しっかり勝ちに向けて戦っていく部分を大切にした」と振り返る。

 ただ、立ち上がりは少し力が入った。

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