▼自己紹介
~あしおトロッコ館について~

 

当プロジェクトにご興味をもっていただきありがとうございます。

私達は栃木県日光市足尾町を拠点に活動を行っている一般社団法人「あしおトロッコ館」です。 当会は令和元年に発足し、足尾銅山をはじめとする全国各地で活躍していた鉄道車両やトロッコ車両、鉄道施設等を保存し維持管理を行う非営利団体です。 博物館に収蔵されないような鉄道車両や史跡、資料を残すことを目標に活動しています。(公式X @ashiotoro および @ashiotoro_1067 )

 

当会の活動場所は2箇所あります。

「本館」においては主にナローゲージ(762mm軌道や610mm軌道など)の車両や鉄道史跡の保存と展示を行っており、冬季を除く土休日を中心にナローゲージ車両の展示運転や乗車体験を行っています。

「分館」となるわたらせ渓谷鐵道足尾駅の旧貨物ホーム付近においては狭軌(1067mm軌道)の車両保存を行っています。

こちらでは春と秋の年2回程度と少ない機会ではありますが、狭軌の車両を動かして連結や解放といった作業を含めた展示運転や一部車両の車内公開を行っています。

 

~保存車両について~

本館では紹介しきれないほど多数の車両たちが保存されていますが、代表的なものをご紹介します。

当館主力で、かつて足尾町内を走っていたガソリンカー(復元車両。写真左)、井笠鉄道ドイツ・コッペル社製7号蒸気機関車(写真中央)、大分鉱業からやってきた日立製作所製8t電気機関車と古河鉱業足尾製作所小山工場製のグランビー鉱車(写真右)などがあります。

 

足尾駅には狭軌の保存車両があり、気動車「キハ35形70号車」「キハ30形35号車」、入換動車(機関車)「DB064」「D805」、貨車「ヨ8928」「タキ29312」「タキ35811」、貨車移動機「アント15型」と旧古河鉱業の入換動車2両の合計10車両があります。

 

経歴も形も多種多様な車両が足尾駅に集っています

 

 

旧古河鉱業の入換動車も2両保存されています。こちらは2024年10月に修繕が行われ、綺麗な姿となりました!

 

今回のプロジェクトでは「狭軌」の車両たち全10車両のうち、既に修繕済みである旧古河鉱業の入換動車2両を除いた8車両分の修繕費用および、今後の気動車動態復元への調査費用などを皆様にご支援頂きたいと思います。 

 

 

~修繕対象車両を簡単にご紹介~

気動車 キハ3570(画像左:昭和39年日本車両製)、キハ3035(画像右:昭和40年新潟鉄工所製)

晩年は八高線で活躍し、1997年に除籍されました。キハ30形は足尾のほかにも各地で保存されていますが、キハ35形0番代は足尾の「キハ3570」が唯一の保存車です。

引退当時は朱色の単色塗装(通称:首都圏色)でしたが、2009年に再塗装が行われた際にキハ3035は登場時のツートンカラー(通称:一般形気動車標準色)へ変更されました。

再塗装されたものの15年が経過し、ご覧の状態になってしまいました。

静態保存車ですが、近年の修繕で電気系統、空気系統が復活し、車内灯の点灯やドアの開閉が可能になりました!

将来的にはエンジンの復活も視野に入れて整備を継続します。

なお、本プロジェクトでは両車ともに首都圏色とし、引退時の八高線の装いを復元します。

 

 

入換動車 D805

協三工業製10t動車(半キャブ)で晩年は東北線安積永盛駅にて活躍しました。

動態保存車のため自走が可能です。

 

 

入換動車 DB064(写真左)

日立製15t動車でロッド駆動が特徴です。晩年は東北線矢板駅にて活躍しました。

動態保存車のため自走が可能です。

 

 

貨車 タキ35811

タキ35811はガソリン積みのタンク車で、沿岸の精油所で精製された石油製品を内陸や遠隔地に輸送するために使用されました。晩年は東北線郡山駅を中心に活躍しました。

動態保存車のため走行が可能です。

 

 

貨車 タキ29312

タキ29312は銅の精錬で発生する亜硫酸ガスから産出される濃硫酸を輸送するために使用されました。晩年は秋田県の小坂鉄道で活躍しました。当初は足尾駅を中心に活躍していたという縁から、元の住処に戻って保存をされています。

動態保存車のため走行が可能です。

 

 

貨車 ヨ8928

かつては貨物列車にも車掌が乗務しており、その乗車用に製作されました。

晩年は愛知県の稲沢に配置され、中京圏を中心に活躍しました。

動態保存車のため走行が可能です。

 

 

貨車移動機 アント15型

小規模な入換作業を行うために全国各地で活躍しました。

中心部の突起が自動連結器のナックル部に噛み合い、車両を牽引することが出来ます。

形式の「15」は自重が1.5tであることに由来します。

動態保存車のため自走が可能です。

 

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 

足尾駅の保存車両は製造から60年近くが経過している車両が多く、看板車両のキハ35やキハ30も引退から27年が経過しています。

そのため、車体外板は腐食が進行し穴が開いてしまっている箇所も少なくありません。

 

私たち「あしおトロッコ館」はボランティア会員が主体の団体なため、公開や展示運転という形で皆様に車両のお披露目は出来ても抜本的な修繕までは手を回せない状態にありました。

 

公開日には動車や貨車を走行させる展示運転を以前より行っていましたが、キハに関しては手付かずで電気が灯らない暗い車内を休憩スペースとしての活用に留まっていました。

 

しかし、いつまでもこのままでは朽ちていく一方です。

 

そんな中である日、別件で訪れていた電気工事業者の勧めで車両の絶縁抵抗値測定を実施したところ問題がありませんでした!

そこで「ものは試し」と、動車に使っているバッテリーをキハに繋いでみた事から会員たちの意識が変わりました。

なんと電気が点いたのです!

一部の蛍光灯だけではありましたが、置物同然のキハは生きていたのです!

 

となると、次に気になるのは空気系統です。会員が自前の空気圧縮機を持ち込んで圧縮空気を送り込んでみたところ、やはり鉄製の空気配管は腐食によって穴が開き、漏気してしまいました。

会員たちの知恵や各々で調べた修繕方法で配管を塞いでみたり、損傷がひどい部分はゴムホースに置き換えるなどの工夫をこらして地道に作業を続けていった結果、ついに現役当時の最大圧力7kg/cm²まで加圧させ、保持することが出来ました!

画像左:腐食により外板には大きな穴が開き、そこから至近の空気配管も大きく腐食して破損した状態でした。内部に見えるホースは元の配管を切除し、置き換えたものです。

画像右:規定の7kg/cm²まできちんと加圧させた圧力計。釣り合い空気ダメにも5kg/cm²が加圧されており、ブレーキを正常に動作させることが出来ます。

 

 

その後も重ねて修繕を行った結果、蛍光灯は全て点灯し、車内放送が流れ、ドアの開閉や半自動ボタンも問題なく動くまでに復活しました。

左:全て点灯するようになった室内灯(中吊り広告のスペースでは現役時代の写真を展示しています)

右:半自動ボタンが点灯し、公開日には開閉を体験していただくことが出来るようになりました。キハ35系に乗ったことがあっても使ったことは無いという方が多いのでは?

 

こうして私たちは「置物同然になっていても、しっかりと手を入れてあげれば動いてくれる」という車両たちの力強さを身をもって体感しました。

そして、更に車両たちに秘められた力を蘇らせたいと強く思うようになりました。

 

そこで今回、皆様からのご支援を賜ることで実現させられないかと考えております。

また、全車まとめて施工することで費用を抑えつつも質の高い施工ができないかと考え、本プロジェクトを立ち上げるに至りました。

 

 

 

▼プロジェクトの内容

 

前項では気動車が蘇る兆しを中心にご紹介しましたが、動車(機関車)や貨車たちもくたびれてしまっています。

走行が可能な状態には維持されているものの車体外板の腐食は避けられません。

 

時折、部分的な修繕は行っていますが車両全体から塗装の剥離、錆を落として下地処理、塗装仕上げとなると会員の手では到底追いつきません。

ムラのない綺麗な塗装を施す技術は並の素人が、しかも大量に行うのは難しくなってしまいます。

ちょっとした補修でもムラが無く綺麗に、平滑にするのは至難の業なのです。

 

 

そこで今回、施工は近隣の業者様へ依頼をし、また、なるべくパテに頼らない大規模な板金工事も合わせて実施したいと考えています。

パテを多用すると安上がりに綺麗にはなりますが、数ヶ月から数年で反りや浮きが発生し余計に悪化してしまいます。

 

末永く残すことを優先させたいため、多少金額が嵩んでも耐久性を優先させたいと考えています。

 

 

今回ご支援戴いた資金では、

1.板金工事(気動車)
2.塗装工事(全車両)
3.今後の展示運転の継続(動車、貨車)
4.今後の動態復元への調査(気動車)

を実施したいと考えています。

 

 

▼プロジェクトの実施予定

 

クラウドファンディング終了後
2025年秋…修繕工事の実施
2026年春…グッズ返礼品の発送(早まる場合があります)と体験型返礼品の実施

 

※返礼品のグッズは一般販売する可能性があります。

※体験型返礼品は複数の開催日を設け、ご希望を最大限取り入れたいと考えておりますが調整の都合上、ご要望には沿えない場合がございます。予めご了承ください。

※プロジェクト完遂にはクラウドファンディングの成立が必須となります。当館では初挑戦ですが皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

▼最後に

 

「足尾銅山」の名前を聞いたことがある方は少なくないと思います。

400年の歴史を誇り、かつて「日本一の鉱都」と呼ばれ大いに栄えた銅山があった足尾町は最盛期に人口4万人にまで迫り、宇都宮に次ぐ栃木県第二の都市にまで発展しました。

しかし、銅山の閉山をきっかけに人口は減り続け、今や最盛期の4%の1300人程度しか住んでいない過疎地域となってしまいました。

 

平成の大合併で足尾町は日光市の一部として吸収合併されましたが、一大観光地「日光」からは20kmも離れている上、峠道を超えなければなりません。同じ市内でありながら観光の寄り道の選択肢には含まれにくいのが実情です。

もっとも、足尾では銅山観光が盛んですし、春には桜、秋には紅葉の旅行ツアーが多数行われています。足尾には貴重な産業遺産が多数残されており「銅山のまち」として栄えた頃の面影を至るところで見ることが出来ます。

 

そんな足尾町の拠点「足尾駅」に展示運転に使える線路があり、多数の鉄道車両が動態保存されているのは地域活性化の起爆剤としても大いに有効なのではないか、と考えます。これらを利活用することで地域活性化の一翼となるとともに、他では見ることが出来ない貴重な車両たちの保存、展示運転を行うことで往年の鉄道風景を再現し、訪れる人々への感動を提供し続けたいと考えています。

 

多数の鉄道車両を末永く保存するだけでなく、町の活性化にも繋がる本プロジェクト。
皆様のお力添えを何卒、よろしくお願いいたします!

 

※本ページ掲載の写真は一般社団法人あしおトロッコ館の管理物です。転載等はご遠慮ください。

※本企画の主催および実施は「(一社)あしおトロッコ館」です。わたらせ渓谷鐵道様へ企画の説明およびクラウドファンディング実施の了承を得ていますが、わたらせ渓谷鐵道様へのお問い合わせはご遠慮ください。

 

 

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