スペイン政府が中国の華為技術(ファーウェイ)に通信傍受システムの運用を委ねているとの報道を受け、米国はスペインとの情報共有を見直すべきだと米上下両院の情報特別委員会トップが主張している。

  トム・コットン上院議員とリック・クロフォード下院議員は16日、ギャバード国家情報長官に宛てた書簡でスペインでの報道を引用。地元メディアのオブジェクティブは、同国内務省が司法傍受データの保存・管理をファーウェイに委託する契約として、1230万ユーロ(約21億円)を支払ったと伝えた。

  スペインは第5世代(5G)ネットワークのベンダーとしてファーウェイの利用中止を進めているものの、情報機能の中核部分で同社に依存していることは、米国とその同盟国にとって深刻な安全保障上の懸念だと、コットン議員は指摘した。

  書簡は「ファーウェイおよび中国共産党がNATO(北大西洋条約機構)加盟国の合法的傍受システムに裏口からアクセスできる可能性がある。これにより、スペインによる共産党スパイに関する捜査や、その他無数の情報活動が監視され得る」としている。

  ファーウェイの担当者はコメント要請に対し、すぐに回答しなかった。スペイン内務省の報道官は「安全保障上のリスクはない」とし、「契約は国家安全保障基準の要件を満たしている」と述べた。

  コットン議員はギャバード長官に対し、機密情報のうち中国側に漏れる恐れのある内容については、スペインとの共有から外すよう求めた。

  欧州各国では、敵対的な政府と関係を持つ通信会社の除外が広がっている。ドイツやポルトガル、英国、スウェーデン、フランスはすでに原産国(COO)に基づき安全保障上の懸念がある機器の排除に着手しており、米国でもファーウェイを含む中国製機器は禁止リストに掲載されている。

原題:US Urged to Limit Spain Intel-Sharing on Huawei Concern (2) (抜粋)

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