中国は700元(約1万4500円)という極めて安い債券引受手数料を巡り、大手投資銀行を調べている。過当競争の抑制を図る共産党指導部の方針に沿った動きとみられる。

  中国銀行間市場交易商協会(NAFMII)は最近、広発銀行が発行した総額350億元(約7240億円)の債券引き受けに関わった6社の調査を開始した。これら金融機関が提示した手数料が注目を集めていた。

  上海証券報によれば、調査対象には中国銀河証券や興業銀行も含まれ、税引き前で1件当たり最低700元での引き受けだったという。引用された広発銀の発表資料は、後で詳細部分が削除された。

  今回の調査はNAFMIIがコスト割れの手数料提示を自粛するよう再三注意喚起した直後になされており、ダンピング(不当廉売)ともいえる風潮が当局によってあらためて問題視された形だ。

  証券会社や銀行は、契約獲得や業績ランキングを競う過程で手数料を引き下げてきたが、その結果として収益が圧迫される事例も顕在化している。

  こうした価格競争は、新エネルギー車(NEV)やフードデリバリーなど多くの分野でも深刻化しており、習主席指導部は経済への悪影響を強く懸念して規制強化に乗り出している。

  広発銀が発行した債券における6社の引受手数料は、0.00018%という極めて低い水準だった。

  国泰海通証券と中信証券という中国トップクラスの証券会社も調査を受けている。NAFMIIは違反が判明した場合、相応の対応を取る方針。関係する投資銀行各行は、ブルームバーグのコメント要請に応じなかった。

原題:China Probes Banks as Price War Cuts Underwriting Fee Below $100 (抜粋)

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