トランプ米大統領と米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の対立が深刻化している中、欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁は18日、FRBの独立性が侵害されれば、影響は米国外にも及ぶと警告した。
ナーゲル氏は南アフリカ・ダーバン近郊で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議の合間、独立性は優れた中央銀行の「DNAに」組み込まれていると発言した。同氏は「この独立性を軽率に扱うべきではない。米国の枠を超えた多大な波及効果を持つからだ。独立性はわれわれにとって極めて重要な財産であり、それが物価安定を高めるという実証的な証拠もある」と強調した。
トランプ氏はここ数日、パウエル氏に対する圧力をさらに強めており、市場にも動揺が広がっている。
トランプ氏は現在の金利水準が高すぎるとして、FRBに利下げを促すよう強く働きかけている。こうした行動により、米大統領が本来独立性を有する中央銀行に、どこまで影響力を行使すべきかという議論が再燃している。
中央銀行の独立性は投資家にとっても重要な要素で、損なわれれば、中銀のインフレ抑制に対する姿勢の信頼性も揺らぐ恐れがある。
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原題:Challenges to Fed Independence Resonate Beyond US, Nagel Says(抜粋)
 
						
			
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