スベルバンクがロシア初の暗号資産カストディ提供を計画
ロシア最大の銀行であるスベルバンク(Sberbank)が、国内の暗号資産(仮想通貨)について保管(カストディ)サービスを提供したいとの方針を7月17日に示した。同行は国営銀行であり、ロシアのデジタル資産開発において主導的役割を担う意向である。
ロシア中央銀行はこれまで暗号資産に反対の立場を取ってきたが、昨年、企業が国際取引で暗号資産を使用することを認める法律を支持し、西側制裁の回避を後押しした。
スベルバンクの代替決済ソリューション部門を統括するアナトリー・プロニン(Anatoly Pronin)氏は、海外の銀行が相次いでカストディサービスを開始している状況を踏まえ、国内の暗号資産規制に関する提案をロシア中央銀行に提出したと明かした。
暗号資産規制に関する討論会でプロニン氏は、同行の提案では暗号資産を銀行口座内の資産と同様に規制し、同行がトークンの安全性を保証する仕組みを想定していると述べた。
顧客に代わって暗号資産を保管する場合、不正が疑われれば当局が資産を凍結できる一方で、取引手続きが簡易化され、アカウントをハッキングから保護できる利点がある。
インサイトファイナンス(Insight Finance)でブロックチェーン技術とデジタル通貨の開発を担当するグレブ・ゼムスコイ(Gleb Zemskoy)氏は、どのファンドや暗号資産ユーザーもカストディサービスなしでは立ち行かないと指摘した。
ゼムスコイ氏は「カストディアンは、暗号資産の世界経済を支える背骨だ。現状ではその役割が外国の民間企業の手に委ねられており、これは大きなリスクを示している」と述べた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Russia’s Sberbank offers custody services for Russian crypto assets
(Reporting by Elena Fabrichnaya; Writing by Alexander Marrow; Editing by Philippa Fletcher)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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