フランスの財政赤字抑制策を巡り、金融市場で再び不安が高まりつつあり、ユーロの需要を損ないかねないとINGグループのストラテジストが警告した。

  ユーロの対ドル相場は15日、1カ月ぶりの安値を付けた。フランスのバイル政権はこの日、第2次大戦の戦勝記念日(5月8日)など祝日の2日廃止も盛り込んだ総額438億ユーロ(約7兆5000億円)の財政健全化策を提示し、政治的緊張が再燃した。

  フランスでは昨年12月、政府予算案に反対する極右・国民連合(RN)と左派連合「新人民戦線」がバルニエ内閣を総辞職に追い込んだ。その後少数与党のバイル内閣が発足したが、政府支出削減と事実上の増税に野党は反発し、国民議会(下院)で不信任案が可決されれば、バルニエ政権の二の舞になりかねない。

  15日のユーロ相場の動きは、米国のインフレ指標を反映したドル上昇の影響が大きい。それでもユーロ圏第2の経済大国であるフランスが置かれる困難な政治・財政状況について、投資家への警鐘になると通貨ストラテジストのフランチェスコ・ペソーレ氏は指摘した。

  「フランスの財政赤字問題は最近すっかり目立たなくなっていたが、欧州全体のセンチメントの時限爆弾だと昨日の動きは恐らく思い起こさせた。数カ月以内に外国為替市場に一定程度波及し始める恐れがある」とペソーレ氏は16日のリポートで分析した。

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Euro Rebounds From Weakest Level in a Month

 

 

原題:French Budget Is a ‘Ticking Bomb’ for Euro, ING’s Pesole Says(抜粋)

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