米電気自動車メーカー(EV)のテスラはインドで初のショールームをオープンする。イーロン・マスク氏率いる同社は新たな市場を開拓し、販売が鈍化している既存市場を補うことを目指している。
ムンバイの金融街「バンドラ・クルラ・コンプレックス」に約4000平方フィート(約370平方メートル)の店舗が15日にオープンする。ブルームバーグ・ニュースの先月の報道によると、中国で生産されたクロスオーバー車「モデルY」が展示される。同社ウェブサイトによると、インドで後輪駆動のモデルYの価格は約599万ルピー(約1030万円)からとなっている。
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7月中には首都ニューデリーに2店目のショールームを開設する予定で、テスラは現地採用を強化し、倉庫スペースを確保した。インドは世界3位の自動車市場だが、製造拠点を設ける計画はない。今回の進出は短期的な販売台数拡大を狙うというより、テスラ車の需要を見極め、ブランドイメージを構築する方に重点が置かれている。
イーロン・マスク氏とインドのモディ首相(2023年)
Photographer: Indian Press Information Bureau/Anadolu/Getty Images
エララ・セキュリティーズのアナリスト、ジェイ・カレ氏(ムンバイ在勤)は「販売台数の面ではまだ大きな意味はない」とした上で、「ただ、ブランドの認知度を高めることはできる。将来的に充電インフラが整備され、車種ラインアップが拡大すれば、テスラも成長できるだろう」と述べた。
長らく期待されていたインド進出は、テスラが主力市場である中国と米国で苦戦する中で実現した。同社の販売台数は4-6月(第2四半期)に減少しており、今年は2024年に続く2年連続の落ち込みを回避したい考えだ。
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テスラは、世界市場で中国の比亜迪(BYD)にシェアを奪われている。多様な保護主義的障壁もあって、まだ十分に開拓されていないインド市場は成長の機会が大きいと言える。
「モデルY」は世界で最も販売台数が多いEVだが、インドで購入できる層は限られる。インド国内のEV普及率は5%未満で、高級車の販売比率も全体の1%にとどまっている。
原題:Tesla’s Long-Awaited India Debut Bets on Luxury Vehicle Buyers、Tesla Begins Model Y Sales in India at $69,757 Starting Price(抜粋)
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