ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)の15日の発表によると、同国経済に対する投資家の信頼感を表す7月の期待指数は52.7で、前月の47.5から改善した。米国の関税による脅威にもかかわらず、ドイツ政府の支出拡大による回復力が注目されている。

  ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想は50.4だった。現況指数も上昇した。

  ZEWのバンバッハ所長は発表で「調査回答者の間でポジティブな見方が着実に定着しつつある。米国と欧州連合(EU)の関税紛争が早期に解決するとの期待や、ドイツ政府が計画している即時投資プログラムによる経済刺激の可能性が、全体的な市場心理に影響を与えているようだ」とコメントした。

  トランプ米大統領が12日、欧州連合に対し新たに30%の関税を課すと表明したことについて、メルツ首相が「ドイツの輸出業者にとって致命的な打撃になる」と述べるなど、先行きの不透明感はさらに増している。

  バンバッハ氏は「世界的な貿易紛争による不確実性が続く中でも、専門家の約3分の2はドイツ経済が改善すると予想している」と述べた。ZEWの調査は7-14日に実施されたため、米国関税の最新の発表を完全には反映していない可能性がある。

  欧州一の経済大国ドイツは、1-3月期(第1四半期)に力強い成長を遂げたが、これは米国の関税を回避するための前倒し需要が一因だった。アナリストらは、この効果が一巡し、4~6月期の経済成長は横ばいと見積もっている。ドイツの国内総生産(GDP)の速報値は、30日に発表される予定だ。

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原題:German Investor Confidence Improves in Sign of Trade Resilience(抜粋)

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