トランプ米大統領が貿易相手国・地域に新たな関税率の適用を相次いで警告する中で、欧州連合(EU)は上乗せ関税の対象国と連携を強化する構えだ。

  事情に詳しい複数の関係者はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、日本やカナダを含む諸国とEUとの協調の可能性に言及した。日本とEUが「競争力アライアンス」を発足させる共同声明を準備していると読売新聞が報じた。

  米国による新たな上乗せ関税発動期日(8月1日)を2週間後に控え、トランプ政権と合意に至った国・地域はほとんどなく、一部の経済同盟国は、米国の低い貿易障壁への長年の依存を見直さざるを得ない。

  トランプ大統領は、米国に有利な関税など一方的措置を用いて、国際貿易秩序の再編をもくろむ。中国とロシアを含む新興グループ「BRICS」などに対し、米国の利益に反し連携する動きをけん制してきたが、自ら仕掛けた貿易の再編が投資を遠ざけ、結束せざる得ない状況に各国を追い込む危険がある。

  対米協議が膠着(こうちゃく)状態にあるEUは、他の国・地域との既存の個別交渉を進め、ルールに基づく国際貿易体制と調和する新たな道を探っている。

  EUはその一方で、対米協議が妥結に至らず、米国が30%の上乗せ関税を課す事態に備え、総額約720億ユーロ(約12兆4000億円)の追加の報復関税対象リストもまとめた。ボーイング製の航空機や自動車、バーボンウイスキーが含まれる。

  EUの行政執行機関、欧州委員会が作成した206ページのリストをブルームバーグ・ニュースが確認したところでは、機械製品や化学品、プラスチック、医療機器、電気機器、ワイン、他の農産品も追加関税の対象となる。米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対抗し、4月に決定された約210億ユーロの報復措置(発動は延期)に続く第2弾となる。

関連記事:EU、トランプ関税30%に報復含め対応検討-日本などと連携模索

  シェフチョビッチ欧州委員(通商・経済安全保障担当)は14日記者団に対し、他の諸国、特に主要7カ国(G7)との間で常に定期的に連絡を取り合っていると述べ、貿易戦争拡大のリスクで「新たな緊迫感が生じている」と認識を示した。

  欧州委のフォンデアライエン委員長は14日、カナダのカーニー首相と電話会談を行い、連携・協力の深化、防衛物資の調達、製造業について協議した。EUとカナダは、米国との貿易協議がいずれも難航し、自動車や農業といった複数の分野で行き詰まりを打開できていない。

  欧州委のリベラ上級副委員長(競争担当)はブルームバーグTVに対し、年内の完了を予定するインドとの貿易交渉にも触れ、「太平洋地域で他の諸国とどこまで、どれほど深く連携できるか探る必要がある」と発言した。

  EUとインドネシアは13日、包括的経済連携協定(CEPA)の締結で暫定合意したと発表した。

EUは14日、貿易担当相会合をブリュッセルで開催し、対米貿易協議について話し合った

Source: Bloomberg

原題:Trump Tariff Salvos Push Economies to Seek to Broaden Trade Ties、EU Targets Boeing, US Cars and Bourbon With €72 Billion List(抜粋)

(EUが準備する報復措置第2弾の内容を追加して更新します)

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