トランプ米大統領が貿易相手国・地域に新たな関税率の適用を相次いで警告する中で、欧州連合(EU)は上乗せ関税の対象国と連携を強化する構えだ。

  シェフチョビッチ欧州委員(通商・経済安全保障担当)は14日記者団に対し、他の諸国、特に主要7カ国(G7)との間で常に定期的に連絡を取り合っていると述べ、貿易戦争拡大のリスクで「新たな緊迫感が生じている」と認識を示した。

  事情に詳しい複数の関係者はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、日本やカナダを含む諸国とEUとの協調の可能性に言及した。日本とEUが「競争力アライアンス」を発足させる共同声明を準備していると読売新聞が報じた。

  対米協議が膠着(こうちゃく)状態に陥るEUは、他の国・地域との既存の個別交渉を進め、ルールに基づく国際貿易体制と調和する新たな道を探っている。トランプ政権は、米国に有利な関税など一方的措置を用いて国際貿易秩序を再編したい意向だ。

  EUの行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は14日、カナダのカーニー首相と電話会談を行い、連携・協力の深化、防衛物資の調達、製造業について協議した。

  EUとカナダは、米国との貿易協議が難航し、自動車や農業といった複数の分野で行き詰まりを打開できていない。米国による新たな上乗せ関税発動期日(8月1日)を2週間後に控え、トランプ政権と合意に至った国・地域はほとんどなく、一部の経済同盟国は、米国の低い貿易障壁に長年依存してきた状況の見直しを迫られている。

  欧州委のリベラ上級副委員長(競争担当)はブルームバーグTVに対し、年内の完了を予定するインドとの貿易交渉にも触れ、「太平洋地域で他の諸国とどこまで、どれほど深く連携できるか探る必要がある」と発言した。

EUは14日、貿易担当相会合をブリュッセルで開催し、対米貿易協議について話し合った

Source: Bloomberg

原題:Trump Tariff Salvos Push Economies to Seek to Broaden Trade Ties(抜粋)

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