つまり、今後は期日通りに支払いを受けられることも、電気が問題なく使えることも、初めて住宅を購入することも、ヨセミテ国立公園で観光を楽しむことも、もはや保証されないかもしれないということだ。今日は問題なくても、明日もそうとは限らない。

DOGEが鳥インフルエンザの予防や米国の核兵器庫の管理に携わっていた人員を解雇したことも忘れてはならない(チェーンソーを振り回すように人員を削減すれば、必要なものまで削ぎ落としてしまうのだ)。

これらの機関は、解雇した労働者を再雇用しようと試みたと報じられている。それ自体はよい。しかし、たとえ再雇用がうまくいったとしても、「誰が残るのか?」という長期的な課題が残る。核兵器の管理方法を知る数少ない人材を誤って解雇するほど傲慢で無能な体制の下で、一体誰が働き続けたいと思うのだろうか? 『The Bulwark』の最近の記事によると、人材流出はすでに始まっている。

本格的な人員削減はこれから

それに本格的な人員削減は始まってもいない。政府はDOGEが改変した自動化ソフトウェアの力を借りて、公務員の大規模な一斉解雇を近いうちに実施しようとしている。米国政府は、多岐にわたる省庁に所属する職員のもつ数十年分の組織的知識を失おうとしている。政府に忠誠をもつ人たちであっても、こうした専門家や職員の代わりを務めることはできない。

イーロン・マスクは少なくともDOGEが誤りを犯すことを認め、迅速に修正することを約束していた。水曜日には、USAIDのエボラウイルスの蔓延を防ぐために設計されたプログラムを中止した件について言及している。「わたしたちは直ちにエボラウイルス対策を復活させました」と、トランプの初の閣僚会議で発言した。「何の中断もありません」

しかし、『The Washington Post』が最初に報じたように、実際はそうではなかった。エボラウイルス対策のプログラムは復活していないし、大幅に縮小されたままになっている。さらに、トランプ政権は2月26日、USAIDおよび国務省の約1万件に及ぶ案件や助成金を打ち切ると発表した。これらの案件の多くは、世界のどこかで生じている困難を少しでも軽減しようとするためのものだった。すべてを語るにはあまりに多くの悲劇が、手の届かない場所でいまもなお起き続けているのだ。

影響はどこまで広がるのか?

この事態の深刻さを想像しようとすると、海の深さに思いを巡らせたときのように圧倒されてしまう。事態が想像以上に深刻なのは、裁判所が対応するころには、すでに取り返しのつかない損害が発生しているからだ。政府の運営者たちは単に国家崩壊を見守るだけで、それ以上の使命感が見られない。これが状況をさらに悪化させている。

連邦政府の組織は、確かにもっと効率的に運営できるだろう。しかし、「効率化」が現実的な目標と言える段階はとうに過ぎてしまった。DOGEによる人員削減は、市民社会や機会費用を考慮した長期的な戦略的思考に根ざしたものではない。DOGEの目標は、イーロン・マスクとProject 2025が掲げている目標にすぎないのだ。そしてDOGEは政府の不正を何ひとつ見つけられなかった。見つかったのは不正ではなく、ただ機能している民主主義だけだった。そしてDOGEは、この民主主義が機能停止したらどうなるかを実験しているかのようだ。

これまでDOGEがやってきたことは、池の真ん中に大岩を投げ込むことだけだ。それだけでも十分に深刻だが、本当に恐ろしいのはその影響がどこまで広がるかである。

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