PRESS RELEASE
2024年11月7日
沖縄セルラー電話株式会社
東京海上アセットマネジメント株式会社
富士通株式会社
石垣島野底ウミショウブ群落 環境省「自然共生サイト」に認定
沖縄セルラー電話株式会社(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長: 宮倉 康彰、以下 沖縄セルラー)、東京海上アセットマネジメント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長: 横田 靖博、以下 東京海上AM)、富士通株式会社(本店:神奈川県川崎市、代表取締役社長: 時田 隆仁、以下 富士通)は、沖縄県石垣市野底エリアにおいて、自然保全活動を推進しているエコツアーふくみみ(代表者 大堀 健司)ならびに石垣市立野底小学校(校長 仲皿 利治)と協力し、野底エリアにおけるウミショウブ(海草)の藻場再生に取り組んできました(以下 本活動)。
この度、本活動を行っている石垣市野底エリアが環境省の「自然共生サイト(注1)」に沖縄県内で初めて認定されたことをお知らせします。
授賞式の様子
現地の様子
認定にあたっては、本活動エリアの以下の特徴が評価されました。
野底崎は石垣島唯一のウミショウブが群生するエリアであり、希少な生物種が群生する地域です。アオウミガメによる食害が深刻になる前の2010年頃まではウミショウブ以外にも10種近いアマモ類が見られるアマモ場があり、水質浄化機能、ブルーカーボン貯留機能を有していました。今般のウミショウブ増殖による自然環境の復旧と保全が実現すれば、ウミショウブ群生期に匹敵する生物種および生物量の回復が期待されます。
野底小学校の児童とともに生物多様性保全活動を実施しています。生物多様性教育および自然保全文化の構築を促し、地域における人と自然との関わり方を未来世代に伝えていくことにも貢献しています。
ウミショウブは炭素を貯留するため脱炭素の促進にも貢献します。増殖したウミショウブにより貯留できた温室効果ガス(以下 GHG)量を計測し、「Jブルークレジット」(注2)として申請する予定です。
今後、当該エリアは「OECM(注3)」としても国際データベースに登録され、このプロジェクトの活動により国際目標である「30by30(注4)」の達成に貢献します。
30by30ロゴマーク
沖縄セルラー、東京海上AMおよび富士通の3社は、これからも地域の皆さまとともに、生物多様性の保全や回復に貢献していきます。
詳細な活動内容については別紙をご参照ください。
[別紙]
1.本活動内容
(1)背景
石垣島野底崎は10種近いアマモ類が観察されている希少なアマモ場です。特にウミショウブは分布の北限であり、環境省および沖縄県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に分類されている希少種となっています。近年、このウミショウブがアオウミガメに捕食され絶滅の危機に瀕しており、従来地元の方を中心にアオウミガメの食害を防止するための防護柵を設置する保全活動が行われてきました。しかし、減少ペースが加速していたため、保全環境の強化が求められていました。
(2)取り組み内容
このたび、沖縄セルラーなどの民間企業が参加し、防護柵を新設、さらに陸上でのウミショウブの育成と防護柵内への移植、保護エリアでの生育状況の把握のための水中ドローンを活用した海洋環境モニタリングを実施します。モニタリングなど保全活動には地元の方や近隣小学校の児童も参加するなど、地域の皆さまの協力を得ながら取り組みを進めています。
野底地区の位置
野底小学校の生徒たちの様子
(3)今後の展望
今後は保全エリアの拡充に加え、沖縄県産の素材を与えてのウミショウブの育成のほか、ウミガメのエサの開発に取り組むなど、沖縄県全体でかかえる「ウミガメの捕食による海草の減少」という課題解決に取り組んでいきます。
また、今後、増殖したウミショウブにより貯留できたGHG量を計測し、「Jブルークレジット」として申請していく予定です。脱炭素や生物多様性保全の取り組みの成果を企業活動の一環として組み込むことで、この取り組み自体をより持続可能なものにしていきたいと考えています。
2.活動における各社の役割
沖縄セルラー
モニタリングなどに係る技術支援
東京海上AM
全体統括・コンサルティング
富士通
・水中ドローンと、富士通独自の画像鮮明化AI技術および海中3次元計測技術を適用した海洋デジタルツイン(注5)による、GHG量の計測を含む高精度な海洋環境モニタリング調査
・地元小学校児童へのモニタリング技術教育
3.終わりに
沖縄セルラーは、世界に誇る豊かな自然環境をもつ沖縄を、次の世代に引き継ぐことができるよう今後も地元の方を含めたさまざまなパートナー様とともに、環境保護活動の取り組みを続けていきます。
東京海上アセットマネジメントは、金融の力を使い自然由来系の脱炭素と生物多様性保全の推進に貢献することを目指します。また、多くの企業や地域との連携を通じて、日本経済の発展に貢献してまいります。
富士通は、社会課題を起点とした事業モデル「Fujitsu Uvance」のもと、データとAIを活用した経営の高度な意思決定によるビジネスインパクトとソーシャルインパクトの両立に取り組んでいます。今回の取り組みをもとに、海洋デジタルツインを活用し海洋の状況を把握し施策の検証を行うことで、生物多様性の保全などさまざまな社会課題の解決を目指します。今後、海洋デジタルツインのデータをAIで分析し、シミュレーションおよび、レコメンド機能を実現、企業のESG経営の実現を支援する「ESG Management Platform」を通じて提供を予定しています。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
本件に関するお問い合わせ
富士通株式会社
プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
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