posted2025/07/14 17:04
ブラジル代表エースのガビ(31歳)と言葉をかわす関菜々巳(26歳)。昨シーズン、イタリア・セリエAのイモコ・コネリアーノで共にプレーした
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yuki Suenaga
バレーボールネーションズリーグ千葉大会の最終日。強豪ブラジルに2セットを先取された日本は、第3セットも劣勢だった。
11ー15、4点を追う場面。しかし、ブラジル代表の主将、ガビことガブリエラ・ギマラエスのレフトからのスパイクを日本のミドルブロッカー島村春世がブロックで止めると、セッターの関菜々巳は両手を挙げて喜んだ。
想像もしなかった関係の変化
「私じゃなくて、ジョンさん(島村)がブロックした1点だったんですけど(笑)。でもガビに選択肢があるのはわかっていたので。ここで何をしてくるんだろうというワクワクもあるし、わかっているからこそ決められると悔しい。(東京五輪からパリ五輪までの)3年間もブラジルとは毎回いい勝負をしてきたし、『やってやろう』っていう気持ちはありましたけど、でもその時と今、ガビのことをよく知っている自分が感じるワクワクは、今までとちょっと違う気がしています」
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関が初めて日本代表に選出された2019年から、ブラジルとは数えきれないほど対戦してきた。メダルをかけた一戦や、五輪の大舞台で敗れた苦い記憶も浮かぶ。
いかなる時も、立ちはだかる壁――。
そんな宿敵ブラジルの、しかもチームの象徴とも言うべきガビとこんな風に向き合える日が来るなんて、想像もしなかった。
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