ロシアのプーチン大統領(写真:Mikhail Metzel/TASS via ZUMA Press/共同通信イメージズ)

最後の「夏の攻勢」を仕掛けるロシア軍

[ロンドン発]マレーシアの首都クアラルンプールで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議に出席したマルコ・ルビオ米国務長官は7月10日の記者会見で「今年1月以降、ロシア軍の兵士10万人が死亡している。負傷者ではなく、死者だ」と明らかにした。

「ウクライナ側の数はロシアより少ないものの依然として大きな損失を出している。ドナルド・トランプ米大統領は戦争を好んでいない。戦争は金の無駄、命の無駄で、戦争を終わらせたいと考えている。和平交渉に進展が見られない現状に苛立ちを感じている」とも述べた。

 NASA(米航空宇宙局)の森林火災監視プログラムの衛星データを使いウクライナ戦争の動向を追跡する英誌エコノミスト(7月9日付)によると、5月から夏の攻勢を本格的に始めたロシア軍は南部ヘルソン州でドニプロ川を挟みドローン(無人航空機)攻撃を仕掛けている。

 北部では5万人規模のロシア軍がスムイ市を攻撃。東部ドンバスの未占領地につながる北東部の要衝ボロヴァとシヴェルシクに進軍した。東部戦線の行方を決定づける南方のウクライナ軍の兵站拠点ポクロウシクとコンスタンチノフカに主力を投入している。

WACOCA: People, Life, Style.