日本の領海を監視している対潜哨戒機「P-1」(海上自衛隊のサイトより)
軍事力増強に余念がない中国は、その軍事力を日本の領域まで近づけ、見せつけ、危険な行為を行い、日本を恫喝している。
また、戦時に備えて日本の周辺での情報収集を活発化している。
中国軍による領海・領空侵犯、日本周辺での空母の威圧行動、日本全域に接近して行う情報収集活動などの敵対行為を行う中国に対し、日本は「遺憾である」または「強く抗議する」と発言するだけである。
また、知らないうちに中国人に日本の土地や家屋が次から次へと買われている。その中には、自衛隊の基地近くの土地も、重要な水源も含まれている。
日本がこのような危機に直面しつつあるにもかかわらず、7月20日投票の参議院選挙で日本の安全保障政策について具体的な政策を提案する政党もなく、政党間での争点にもほとんどなっていない。
投票日の10日前、7月11日には、日本の自民党幹事長と中国副首相との会談が実施され、幹事長はパンダの貸与を働きかけたという。
今の日本の外交は、前述に述べた中国軍による軍事的敵対行動を止めるための交渉ではなく、パンダ外交を優先しているかのようである。
私は、強い危機感を抱いている。
これは当たり前のことだろうか。各政党は、安全保障政策(戦略)を打ち出し、これに対し国民は国会議員選挙において意思を示すべきだ。
日本の安全保障にかかわってきた立場からすれば、有権者として、現政権の対中国政策を認めるのか認めないのか、という意思を示す時期にきたと思う。
1.中国の軍事的敵対的行動の数々
中国軍は、中国からわざわざ日本の近くまで来て、日本の領海・領空(海岸から約22キロ)すれすれに接近し、全域で軍事情報を収集し、時には領海・領空を侵犯している。
中国政府報道官は、それらについて「敵対的な意図はない」と言う。
これらのことは、中国の近くで生起しているのではない。わざわざ数百キロ離れた日本の領空・領海までやって来て、あるいは数千キロに及ぶ日本全域を回って発生していることなのである。
これを「意図的ではない」ということは、「悪意ある嘘」以外の何物でもない。
最近の軍事的敵対的行為を具体的に次に紹介しよう。
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