日産自動車が45億ドル(約6600億円)の外貨建て社債の発行で支払ったコストは米国のハイイールド債市場の基準から見れば大した水準ではなく、同社の経営再建に投資家が一定の信頼を持っていることを示唆する。
今回債のうち1本は発行利率が8.125%に決まり、これまで最高利率だった1986年発行のドル債の7.5%を上回った。ただ、ブルームバーグのデータによると、これは米ハイイールド債(私募債を除く)の平均利率8.15%とほぼ同じ水準だ。
巨額赤字を計上し苦境に立たされる中でも、日産のドル建てとユーロ建ての社債には投資家から約110億ドルの需要が集まった。起債は事業再建のため、資産売却などを通じて1兆円規模の資金調達を目指す広範な取り組みの一環だ。今週は総額2000億円の転換社債型新株予約権付き社債(CB)の転換価格も決めている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行のシニアクレジットストラテジスト、ティン・メン氏は「市場には流動性が豊富にあるため、100億ドル規模の巨額取引であっても吸収は難しくない」と話す。日産に関しては「起債で流動性が向上し、再建計画が進展するとの短期的な安心感をもたらすものの、長期的な競争力には懸念が残る」と述べた。
社債保証コストの観点では日産は依然として日本で最もリスクが高い企業だ。CMAのデータによると、信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は10日に約391ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2009年5月以来の高水準を記録。ソフトバンクグループの289bpや楽天グループの251bpを大幅に上回る。
(最終段落にCDSについて追記しました)

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