トランプ米政権が50%の追加関税を精製銅に適用した場合、米国の買い手は高いコストを支払うことになると生産業者やアナリストが警告した。

  米政府が8月1日から銅輸入に50%の追加関税を課す準備を進める中で、グローバルサプライチェーンは関税措置の詳細に神経質になっている。

  銅の対米輸出全体の約7割を占めるチリは、関税の適用除外を求めている。米国が国内需要のほぼ半分を輸入に頼る現状を考えれば、米国の製造業にとって直ちに代替可能な選択肢はほとんどないと主張する。

  マッコーリーのアナリスト、アリス・フォックス氏によれば、海外から輸入する精製銅に関税が賦課された場合、銅線や銅棒、銅管など中間製品を製造する米国のメーカーは、生産コストが上昇し、国際競争力が損なわれる恐れがある。

  チリの産銅会社アントファガスタのイバン・アリアガダ最高経営責任者(CEO)は10日記者団に対し、「米国の銅製品メーカーが圧力にさらされるのは間違いない」と述べた。

  アントファガスタのようなチリの供給業者にとって、米国向けは輸出全体の約10分の1に過ぎず、中国と比べるとはるかに小さい。精製銅に関税が適用されれば、米国内の精錬増加や鉱山の利益拡大につながる可能性はあるが、それ自体で大規模な鉱業投資を促す公算は小さい。米国では、鉱床の発見から実際の生産開始まで数十年かかることもあり得る。

  チリのウィリアムス鉱業相は10日、米当局との協議で関税免除を求めていると明らかにした。米国から正式通知は受けておらず、50%関税の詳細も把握していないという。

原題:Trump’s 50% Copper Tariff Risks Squeezing American Metal Buyers(抜粋)

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