米国株式市場=上昇、FOMC議事要旨受け利下げ焦点に エヌビディアが高い

米国株式市場は上昇して取引を終えた。2021年1月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

[9日 ロイター] – 米国株式市場は上昇して取引を終えた。半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの時価総額が一時、4兆ドルを突破する中、ハイテク株中心のナスダック総合(.IXIC), opens new tabが主要指数の上げを主導した。また、連邦準備理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、トランプ大統領の関税によるインフレ圧力が今年の利下げを阻むことはないという期待が高まった。ナスダックは最高値を更新して引けた。FRBが9日公表した6月17─18日のFOMC議事要旨によると、「大半の参加者」はトランプ氏の関税措置による物価への衝撃が「一時的もしくは小幅」になると見込み、年内の利下げが適切になるという見解を示した。ただ、今月に利下げが実施される可能性があるという認識を示した当局者は少数にとどまった。 もっと見る エヌビディアは朝方に世界で初めて時価総額が4兆ドルを突破した。人工知能(AI)技術への需要が急増する中、ウォール街で最も注目される銘柄の一つとしての地位を固めた。終値は1.8%高で、引け時点の時価総額は約3兆9700億ドルだった。 もっと見る

投資会社SWBCのクリス・ブリガティ最高投資責任者(CIO)は「FRB当局者はインフレ率が今後上昇するとの見方を示唆した。同時に当局者の多く、あるいはほとんどが今年のある時点で金利が低下するという予想を示唆した。この2つの点は一致しない」と指摘。「おそらく彼らは労働市場で何が起こっているかについて、少し重視し始めているのだろう」と語った。

エヌビディアのほか、マイクロソフト
(MSFT.O), opens new tabが1.4%高、アマゾン・ドット・コム(AMZN.O), opens new tabが1.5%高となるなど、大型株が市場を押し上げた。

米株市場は7日に貿易摩擦への懸念から下落したものの、その後は落ち着きを取り戻している。アナリストは、投資家がトランプ大統領の関税に関する威嚇的な姿勢に慣れてきたと指摘する。

トランプ氏は9日、アルジェリア、イラク、リビア、スリランカ、フィリピンを含む7カ国に関税率を通知する書簡を送った。 もっと見る S&P総合500種(.SPX), opens new tabの主要11業種では8業種が上昇。公益事業(.SPLRCU), opens new tabが1%高、情報技術(.SPLRCT), opens new tabが0.9%高と上げを主導した。主要消費財(.SPLRCS), opens new tabは0.6%安で下落率トップだった。個別銘柄では発電事業大手AES(AES.N), opens new tabが19.8%上昇。売却を含む選択肢を検討しているとブルームバーグが報じた。航空機大手ボーイング(BA.N), opens new tabは3.7%高。6月の航空機納入が前年同月比で27%増加したことを受け、サスケハナが目標株価を引き上げた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.17対1の比率で上回った。ナスダックでも1.93対1で値上がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は181億株。直近20営業日の平均は183億5000万株。

LSEGデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります
※米国株式市場

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