ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利を3.25%に据え置いた。写真はウェリントンで2022年11月撮影(2025年 ロイター/Lucy Craymer)
[ウェリントン 9日 ロイター] – ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利を3.25%に据え置いた。据え置きは昨年8月の利下げサイクル開始以来初めて。一方、中期的なインフレ圧力が予想通り緩和し続ければ、追加利下げを行う見通しを示した。
ロイター調査では、エコノミスト27人のうち19人が据え置きを予想していた。
中銀は5月の前回会合まで6回連続で利下げを行い、金利を計225ベーシスポイント(bp)引き下げてきたが、インフレ率が2.5%の水準にあり、貿易摩擦が物価を押し上げる懸念があることからより慎重なアプローチを取っている。
中銀は声明で、「中期的なインフレ圧力が予想通り緩和し続ける場合、委員会は政策金利をさらに引き下げる見通しだ」と述べた。
その上で、「経済見通しは依然として非常に不透明だ。ニュージーランドの経済回復ペース、インフレの持続性、関税の影響に関する今後のデータが、政策金利の今後の動向に影響を与えるだろう」と指摘した。
議事要旨によると、5月の会合で発表された予測に沿って金利を引き下げる見通しという。
声明では、輸出価格の上昇と金利の低下がニュージーランドの景気回復を支えている一方で、世界的な政策不透明感の高まりと関税により世界経済の成長は鈍化する見通しだと指摘。「これによりニュージーランドの景気回復のペースは鈍化し、インフレ圧力は緩和するだろう」と述べた。
市場は経済の弱さから、中銀が年内に少なくともあと1回の利下げを実施する可能性があるとみている。
中銀はインフレ率が第2・四半期と第3・四半期に目標レンジ(1─3%)の上限に達すると予測している。
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