*イメージ写真(写真:Volodymyr Burdiak/Shutterstock)

 7月4日、岩手県北上市の住宅で、80代の女性がクマに襲われ死亡しているのが見つかった。死亡したのは、岩手県北上市和賀町の81歳の女性。警察によると、4日午前7時38分ごろ、被害女性が自宅の居間で血を流して倒れているのを、訪問した息子が発見し、110番通報した。

 被害者の全身には動物の爪のような傷があり、駆けつけた救急隊員がその場で死亡を確認した。警察は状況からクマに襲われたとみて調べているが、被害者を襲ったクマはまだ見つかっていない。

事故現場付近に土地勘

 この地域は平成の大合併で北上市と合併したものでそれ以前は和賀町という独立した自治体だった。後述するが、北上市の西隣には西和賀町があるが、こちらは現在も基礎自治体として残っている。

 渓流釣りが趣味の筆者はこの地域にもたびたび足を伸ばしている。だから最初に「北上市和賀町で人がクマに襲われる」との報道を目にした時、「西和賀町に近い、山深い場所の“ポツンと一軒家”で被害に遭ったのかな」と早合点していたが、そうではなかった。

 西和賀町は秋田県との県境に当たり、東北地方の「背骨」奥羽山脈が通っている場所でもある。なかでも一帯は「和賀山塊」と呼ばれ、クマが生息している地域があることは筆者も知っていた。

 そんな場所で飽きずに竿を出していたわけだが、正直に言えば、筆者自身はクマへの怖さというものはそれほど感じたことはなかった。

 というのも、クマが出没して人間に危害を加える危険なシーズンというのは春と秋で、筆者がこの地に出向くのは真夏が多かったからだ。一般的に、真夏はクマの被害は比較的少ないのだ。

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