ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.07.08 17:21
中国と世界市場で激しく競争する韓国のバッテリー企業がホームグラウンドで真っ向勝負する。韓国政府が主管する1兆ウォン規模のエネルギー貯蔵装置(ESS)入札に参加してだ。
電力取引所とLGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKオンのバッテリー3社によると、4日に締め切られた第1次ESS中央契約市場の競争入札に内外の企業コンソーシアム数十組が参加した。バッテリーだけなく電力機器、再生可能エネルギー、建設業者などがチームを組んで受注戦に飛び込んだ。この事業は2026年末までに全羅南道(チョンラナムド)、全羅北道(チョンラブクド)、慶尚北道(キョンサンブクド)、江原道(カンウォンド)などの陸地に50万キロワット、済州道(チェジュド)に4万キロワットの合計54万キロワット規模のESSを供給するプロジェクトだ。取引所は今月末までに優先交渉対象者を選定する計画だ。事業費だけで1兆ウォン規模に達する。韓国政府は長期的に2038年までに40兆ウォン規模のESSを導入する計画で、今回初めて始動した。
今回の受注戦が注目されるのは韓国のバッテリー企業だけでなく、CATLとBYD、ファーウェイなど中国企業も参加する可能性が大きいためだ。ただどの企業が最終入札に参加したのかは明らかになっていない。CATLは早くからウォーミングアップに入った。ソウル・江南(カンナム)にCATLコリアのオフィスを設け、1月には事業目的に「バッテリーとESS製品の販売・設置・運送・流通」などを追加した。CATL関係者は「中国は韓国と地理的に近く、ESSを中国から持ってきても価格競争力で韓国企業をリードできる」と説明した。
韓国のバッテリー企業はESS受注経験が比較的少ない方だ。あるバッテリー企業副社長は「入札で価格が60%を占めるほど割合が大きい。価格だけ考えるなら中国企業が絶対優位。それでも政府主導事業で国内産業への寄与度と雇用創出効果を考慮するだけに韓国企業が受注すると期待している」と話した。
ESSは電力が多く生産される際に貯蔵し、不足する時に供給する一種の大型補助バッテリーだ。気候により不安定な太陽光や風力などの再生可能エネルギーを補助して電力を安定的に供給する役割をする。李在明(イ・ジェミョン)政権が推進する「エネルギーハイウェー」の公約を実行する「電力貯水池」の役割をする見通しだ。電気自動車市場の需要低迷が長引く状況でESSは韓国のバッテリー企業の新たな収益源に浮上した。
だが中国は市場で絶対的強者だ。ESSの標準が中国企業の強いLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーを中心に固まりつつある状況だ。NCM(ニッケルカドミウムマンガン)バッテリーに強い韓国企業は一歩遅れて飛び込んだ形だ。SNEリサーチによると、昨年のESS世界市場で中国企業のシェアは70%以上だ。
瑞靖大学スマート自動車学科のパク・チョルワン教授は「値段は安いが安全で、成長が急なLFPバッテリー分野で苦戦する韓国企業に今回の政府ESS入札は危機であり機会」と話した。
一方、この日LGエナジーソリューションは業績速報値を発表し、4-6月期に売り上げ5兆5654億ウォン、営業利益4922億ウォンを記録したと明らかにした。1年前より営業利益が152%増え市場の見通しを上回った。米国のインフレ抑制法にともなう先端製造生産税額控除(AMPC)金額を除いた基準で6四半期ぶりに黒字転換した。ゼネラルモーターズ(GM)など北米の顧客向けの生産が増加し、先月初めに米ミシガン州オランダ工場でESS用LFPバッテリー生産を始めたことで収益性が改善されたとみられる。
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