メキシコ石油公社(ペメックス)は、電力不足に見舞われているカリブ海の島国キューバに救いの手を差し伸べた。旧ソ連崩壊以降で最悪の経済危機の中、キューバは送電網の維持に苦慮している。

  米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、ペメックスは子会社ガソリナス・ビエネスタルを通じ、1-3月(第1四半期)に31億ペソ(約240億円)相当の原油・燃料をキューバに販売した。

  輸出される日量1万9600バレル相当の原油と同2000バレルの石油製品は、ペメックスが2023年下期にキューバに出荷した合計日量1万9900バレルをやや上回る。

CUBA-ENERGY-ELECTRICITY-SOCIETY

停電で暗くなった通りを歩く住民(6月26日、ハバナで)

Photographer: Yamil Lage/AFP/Getty Images

  トランプ米政権の1期目に制裁が強化された後に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が追い打ちをかけ、キューバにとって主要な観光業が大打撃を受けた。それ以降、計画停電が繰り返され、ここ1年で全国的な停電も複数回にわたり発生。こうした状況で国外脱出が後を絶たず、キューバの人口はこの4年で大きく減少した。

  メキシコ紙ウニベルサルがまず6日に報じた同国によるエネルギー出荷について、シェインバウム政権はキューバに対する人道支援の一環だと位置づけている。

原題:Mexico Keeps Up Oil and Fuel Shipments to Crisis-Stricken Cuba(抜粋)

WACOCA: People, Life, Style.