タイ政府はトランプ米大統領による最大36%の関税措置を回避しようと最終交渉に臨んでいる。米国の農産物や工業製品のタイ市場へのアクセス拡大に加え、エネルギーや航空機の購入拡大などの譲歩案を提示し合意を早期に実現したい考えだ。

  ピチャイ財務相は6日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューに応じ、タイ政府の最新の提案では、現在460億ドル(6兆6500億円)に上っている対米貿易黒字を5年間で70%削減し、7-8年以内に貿易収支の均衡を達成することを目指していると述べた。10年以内に貿易不均衡を是正するとしていた以前の目標より前倒しする形で、両国の貿易額は増加するとしている。

  さらに同氏は、貿易の不均衡是正のため、米国産の液化天然ガス(LNG)やボーイング製旅客機の購入計画について、より「積極的な」見直しを行っているとも述べた。

  また、上乗せ関税発動の猶予期間の期限を9日に控え、タイ政府は6日夜に修正案を米側に提出した。仮に受け入れられれば、大半の製品について直ちに関税や非関税障壁の撤廃が可能で、一部の品目については段階的に制限を緩和していくという。

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  最大の輸出先である米国の関税引き下げを実現できない場合、輸出が急減し、経済成長率は最大1ポイント押し下げられる可能性があるためタイ政府は合意の成立を急いでいる。

  ベトナムは先週すでに合意に達しており、トランプ氏は対米輸出品には20%の関税、ベトナムを経由した迂回(うかい)輸出と見なされる製品には40%の関税が適用されると発表している。

  ピチャイ氏は「最悪の事態は近隣諸国の中で最も不利な合意に至ることだ」と語り、最良のシナリオとして10%の関税率を目指しているが、10ー20%の範囲でも受け入れ可能だと話した。

  カンボジアとの国境問題を巡る倫理規定違反でタイの憲法裁判所がペートンタン首相の職務を一時停止するよう命じ政治的混乱が起きている中、米国との間で有利な合意をまとめることができれば、投資家の懸念を緩和できると期待されている。

原題:Thailand Offers US More Trade Concessions to Avert 36% Levy (1)(抜粋)

(米側への修正案提出の情報を本文4段落目に追加して更新します)

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