イタリアの老舗ブランド「Fantic(ファンティック)」が贈るネオクラシックスクランブラー「Caballero(キャバレロ)」。今回は、そんな魅力的な1台を選んだクリエイター・加藤ノブキさんと、その愛車をご紹介します。
(アイキャッチ画像 Photo by 矢野聡)
Fantic Caballero Flat Track250
Fantic Caballeroとは?
「Caballero」は、Fanticが2017年のEICMA(ミラノショー)で発表した復刻モデル。もともとは1960年代にヨーロッパで人気を博したエンデューロバイクで、その名を現代に蘇らせたのがこの新生「Caballero」です。
ラインナップはスクランブラー、フラットトラック、ラリーの3系統を展開しており、250ccモデルは既に生産終了となっているが、水冷単気筒エンジンを搭載した軽量ボディが魅力。クラシカルなフォルムとLEDやABS、電子制御インジェクションなどの現代的装備が融合した、まさに「ネオクラシック」な1台です。
クラシカルなフォルムと現代装備を搭載したネオクラシックな一台
クリエーターが手に入れたどこまでも走れるイタリア車!
今回ご紹介する「Fantic Caballero Flat Track250」のオーナーはアーティスト、デザイナー、イラストレーター、漫画家として活動されるクリエーター、加藤ノブキさん。
FANTICやLambretta、TRIUMPH、BMW Motorrad、KAWASAKIなどのバイクブランドに加え、ナイキや資生堂、椎名林檎など、多岐にわたるクライアントワークを展開。最近では、東京モーターサイクルショー2024のメインビジュアルを担当され、目にした方も多いはずです。
本記事では、加藤さんがCaballeroを選んだ理由や、お気に入りのカスタムポイントをたっぷりご紹介します。
Instagram「加藤ノブキ」さん
https://www.instagram.com/nobuki_kato
加藤さんと愛車のキャバレロ
加藤さんがデザインされた東京モーターサイクルショー2024のメインビジュアル
購入のきっかけは?
『Fantic Caballeroの存在は雑誌で見かけて知りました。市販の前後19インチトラッカーなんてなかなかお目にかかれないうえに、デザインも良く気になっていたんです。
日本での取り扱いがMOTORISTS(モータリスト)で、社長の野口さん(元KTMジャパン社長)とは元々顔見知りだったこともあり、当時FANTICの広告イラストのお仕事を頂くことになったんですよね。「それならもう購入してしまおう!」というノリで購入に至りました笑』
迫力の19インチタイヤが特徴の1つ!
カスタムのポイントは?
『デザイナーであるHIGHJUMPERさんによるタンクの「HAVE A BIKE DAY.」ロゴとスイングアームの黄色ラインのペイントが一番のお気に入りです!
それ以外の黄色い部分は自作のカッティングシートを貼り、右サイドカウルにはご縁のあるショップやアーティストのステッカーをスケボー感覚でペタペタとステッカーチューン。
左サイドにはこれまでに4回出場しているDOOR OF ADVENTUREというラリーイベントのゼッケンを付けています!』
タンクの「HAVE A BIKE DAY.」ロゴはデザイナーHIGHJUMPER氏によるペイント
実は難しい…ステッカーチューンも見事!
「HAVE A BIKE DAY.」
これは”バイクがある日常”をテーマとした加藤さん考案のバイクアートレーベルですよね!
『はい!バイクを愛するすべての人へ「(バイクのある)良い一日を」というメッセージ込めたものとなっています!』
「HAVE A BIKE DAY.」は”バイクがある日常”をテーマとした加藤さん考案のバイクアートレーベル
他のカスタムポイントも教えてください!
『リアサスペンションはオーリンズ製に交換、フロントはアンドレアーニのカートリッジキットを入れることで、オフロードでの追従性、限界値を格段にアップさせています。
タイヤはダートトラックタイヤ→スクランブラータイヤ→エンデューロタイヤとブロックの高さが高くなっていきました。最初はフラットな林道から始まって、徐々にハードな林道などに行くようになり…ガレ場やヌタヌタの泥沼まで、かなり色んな道なき道を楽しめようにという想いからです。ただ、今はまたフラットトラッカーに戻そうと思い、タイヤもダートトラックタイヤに戻しました。』
リアサスペンションはオーリンズ製に変更!ブロックタイヤを履かせてスクランブラーに変身!
アンドレアーニのカートリッジキットを入れることでオフロードでの追従性、限界値をあげたフロント周り
遠出する際の工夫点はありますか?
そういえば、車の免許はお持ちでなく、どこに行くにも基本的にはバイクなんですよね!?
『そうなんです!B.O.B.L.(小排気量ビンテージバイクのレース)に参加する際も自分ではトランポ出来ないので、便乗スタイルです笑
遠出する際の工夫ですか?
林道ツーリングやラリーの時に、工具やエアゲージ、電動エアポンプ等があると便利(林道に入る前に空気圧を下げて、林道を出たら元に戻す等…)なので必ず持っていきます。防水性、耐久性に定評のあるエンデュリスタンのリアフェンダー用バッグに入れているのですが、タンクに固定出来るよう改造して使っています。』
エンデュリスタン、めちゃくちゃ良いですよね!
周りで使っている方が多く、いつも羨ましいなぁ~と思っておりました!
エンデュリスタンのリアフェンダー用バッグを加工しタンクに装着!
「好き」を仕事にしたクリエーター
加藤さんと出会ったのは2025年3月、都内で開催されていた油絵画家「SANPAINT」さんの個展。その後、ご自身の個展「HAVE A BIKE DAY. vol.7」にお邪魔し、B.O.B.L.やDGR(Distinguished Gentleman’s Ride)など様々なイベントで再会を重ねてきました。
個展「HAVA A BIKE DAY. vol.7」で展示されていた作品の一つ
今年のモーターサイクルショーでお披露目されたAraiの人気ヘルメット「ラパイドネオ」の新グラフィック「HAVE A BIKE DAY.」。このデザインは加藤さんによるものだ。
話を重ねるうちに感じたのは、加藤さんの活動がまさに「好き」×「得意」×「求められる」を絶妙に融合させたものだということ。
「好きを仕事に」とは簡単に言われるけれど、実現するのは難しい。でも加藤さんはそれを“地に足つけて”体現している。
その姿に、心から尊敬と刺激を受けました。
加藤さんの「好き」を活かした次の展開は?今後の活動も楽しみにしています!
Instagram「みんなの単気筒」
https://www.instagram.com/minnano_tankito
加藤さんの「好き」を活かした次の展開も楽しみ!
Photo by 矢野聡
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