米ワシントン連邦地裁のランドルフ・モス判事は7月2日、トランプ大統領による国家非常事態宣言を通じたメキシコ国境での難民申請禁止措置は権限の過剰行使だとの判断を示した。写真は米国から強制送還される不法移民ら。1月27日、テキサス州マッカレンで撮影(2025年 ロイター/Daniel Becerril)
[ワシントン 2日 ロイター] – 米首都ワシントン連邦地裁のランドルフ・モス判事は2日、トランプ大統領による国家非常事態宣言を通じたメキシコ国境での難民申請禁止措置は権限の過剰行使だとの判断を示した。
トランプ氏は2期目の大統領に就任した1月20日、不法移民流入阻止の目的で難民再定住プログラムの停止につながる大統領令に署名。人権団体のアメリカ自由人権協会(ACLU)が2月、メキシコ国境における難民申請の道を閉ざした同プログラム停止は米国の法令および国際条約に違反していると主張し、提訴していた。
モス判事は、たとえ不法移民流入阻止が「非常に大きな試練」だとしても、連邦の移民関連法と合衆国憲法のどちらも、トランプ氏に難民申請手続きを規定する現行の法規を無視する権限は与えていないと指摘。政権側の申し立てでは権限の妥当性の裏付けが不十分だと結論付けた。
原告団の弁護士は、今回の司法判断は危険から逃れてくる移民を確実に保護する取り組みを後押ししてくれると評価し、大統領といえども難民申請者を「侵入者」と言い張るだけで議会が承認した法令をなかったことにはできないと付け加えた。
ホワイトハウスと司法省、国土安全保障省はコメント要請に応じていない。
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