ロシア経済先行きに警戒感 AI活用が今後課題に=中銀総裁

ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は2日、金融関係者の会合で、ロシア経済の先行きについて「非常に混乱した時代を迎える」として警戒感を示した。6月撮影(2025年 ロイター//Anton Vaganov/File Photo)

[サンクトペテルブルク(ロシア) 2日 ロイター] – ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は2日、金融関係者の会合で、ロシア経済の先行きについて「非常に混乱した時代を迎える」として警戒感を示した。「技術的構造変化に直面している」との見解も示し、人工知能(AI)の経済分野への活用を課題の一つとして挙げた。

ロシア経済は西側の制裁への適応を見せ、インフレ率は鈍化傾向にある。ただ、2024年に4.3%だった成長率は、25年には急減が見込まれている。ナビウリナ氏は、インフレ率が中銀の予想より速いペースで鈍化し、労働力不足が緩和する兆しが見られると指摘。経済指標で予想より大きな減速が示されれば、より大きな利下げ余地が生まれると述べた。

ナビウリナ氏は、軍事支出による賃金上昇や移民制限で高騰した労働コストは長期にわたって続くと強調した上で「労働コストが高い環境下で、生産性向上につながるだろう」との見方を示した。こうした変化をもたらすAIなどの技術革新については「過去2年間と比べ、一層広範な影響を及ぼす可能性がある」と強調した。

ロシア国内では、ウクライナへの軍事侵攻後に海外からの資金調達が困難となっており、国内資金を活用すべきだとも述べた。

中銀は金融引き締め政策で批判を受けてきたが、ルーブル高を背景に物価が低下傾向となったことを受け、6月に主要金利の引き下げを決めた。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

WACOCA: People, Life, Style.