トランプ米大統領は日本が米国産コメの輸入に消極的だとして、日本に新たな関税を賦課する構えを見せた。
トランプ氏は30日、ソーシャルメディアへの投稿で「日本はわれわれからコメを買おうとしない。それなのに日本は深刻なコメ不足になっている」と主張。「だからわれわれは日本に書簡を送るつもりだ。米国はこれからも長い間、日本が貿易相手国であることを望んでいる」と述べた。
日本を含む貿易相手10数カ国は、7月9日に関税引き上げの期限を迎える。これまでに発表されたのは、中国および英国との包括的な枠組み合意の2件のみである。
一方で国家経済委員会(NEC)のハセット委員長は、7月4日の独立記念日を過ぎたら複数国との合意が発表されるとの見方を示した。同委員長は30日、FOXビジネスとのインタビューで「これまで交渉してきた枠組みを大統領との会合で説明し、承認の是非を確認するつもりだ」と述べた。
日米の貿易交渉は、大統領による最新の発言にもかかわらず続けられる見通しだともハセット氏は述べた。
「何も終わっていない。大統領が投稿した内容は知っているが、協議は最後まで続くだろう」と記者団に話した。
日米の当局者は数カ月前から貿易協議を続けてきたが、関税水準や貿易障壁といった争点を巡って、まだ解決には至っていない。
日本は基幹産業である自動車業界が脅かされているとして、トランプ氏が表明した25%関税の見直しを強く求めてきた。これに対して米国は、日本が米国製自動車の輸入に消極的だと主張し、要求をはねつけている。
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トランプ大統領は数週間前から、多数の貿易相手国に関税率を設定し書簡で通知すると脅している。このアプローチは複数国との「ディール」を一度に成立させ、誠実に交渉しないと見なした国を罰する手段だと説明している。
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ホワイトハウスのレビット報道官はこれより先、米政府はインドなど複数国との合意成立に近づいていると述べた。
同報道官は「誠実な姿勢で交渉の席に着かない国に対して、大統領はその多くに関税率を設定する意向だ。今週はそのために貿易関連チームと会合している」と述べた。
原題:Trump Threatens to Impose Tariff on Japan, Citing Rice Exports(抜粋)
(ハセット国家経済会議(NEC)委員長のコメントを加えます)
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