ハンガリーのオルバン首相は28日に実施されたLGBTQら性的少数者の権利擁護を求めるパレードについて「嫌悪し恥ずべきだ」と述べ、欧州連合(EU)が野党政治家に指示しイベントを仕組んだと非難した。写真は6月28日、ブダペストで撮影(2025年 ロイター/Lisa Leutner)
[ブダペスト 29日 ロイター] – ハンガリーのオルバン首相は28日に実施されたLGBTQら性的少数者の権利擁護を求めるパレードについて「嫌悪し恥ずべきだ」と述べ、欧州連合(EU)が野党政治家に指示しイベントを仕組んだと非難した。地元ニュースサイトが29日に報じた。
ブダペストで実施されLGBTQらのための行進はここ数年間で、オルバン氏に対する最大規模の抗議活動のひとつに拡大し、推定10万人の参加者が警察のデモ参加を巡る禁止命令や罰金の脅しに従わなかった。
地元ニュースサイトによると、オルバン氏は29日、支持者向けの非公開オンライングループ「ファイトクラブ」で「EU本部」の指示を受けた野党政治家が有権者に大規模な参加をするよう呼びかけたと述べた。
オルバン氏は「われわれは28日のことがあって、こうした人物(野党政治家)を政権運営の中心に近づけてはならないと一層確信した。だからわれわれは許さない」と支持者に語ったという。
オルバン氏は発言の証拠を何も示していない。しかし、パレードはブダペスト市が開催しており、オルバン政権は長年にわたりゲルゲイ・カラーチョニ・ブダペスト市長をEUの「操り人形」だと非難してきた。
ロイターはパレードの主催者と市役所にコメントを求めたが回答がすぐになかった。
EU欧州委員会はオルバン氏の発言についてコメントを控えた。
パレードは3月成立した法律に基づき禁止されていた。オルバン氏の反対派は禁止措置について、来年の国政選挙を前にした民主的自由に対する弾圧策の一環とみなしている。
オルバン氏によると、欧州委員会のフォンデアライエン委員長が27日、ハンガリー当局にパレードの実施を認めるよう求めたのに対し、オルバン氏はフォンデアライエン氏がハンガリーを「従属国」とみなしており、発言を「共産主義時代にモスクワから命令を受けたようなものだ」と例えた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
WACOCA: People, Life, Style.