EU高官、TPPとの協力がWTO代替につながるとの見方否定

欧州連合(EU)の複数の高官は6月27日、環太平洋連携協定(TPP)加盟国との協力計画について、世界貿易機関(WTO)の代替的枠組みを目指すものではないとの考えを示した。写真はEUのフォンデアライエン欧州委員長。26日、ベルギーのブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)

[ブリュッセル 27日 ロイター] – 欧州連合(EU)の複数の高官は27日、環太平洋連携協定(TPP)加盟国との協力計画について、世界貿易機関(WTO)の代替的枠組みを目指すものではないとの考えを示した。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は26日、TPP加盟国との「構造的な協力」はWTOの再設計の始まりと考えられると発言。ドイツのメルツ首相はさらに踏み込み、EUとTPPの新たな貿易の枠組みは次第にWTOの代わりになっていく可能性があると言及した。

しかし複数のEU高官は、TPPとの協力計画が必然的にWTOの対抗機関を設立することにはならないと説明した。

欧州委員会は声明で「われわれはTPPを含む同志国・地域と緊密に協力し、公正で開かれた世界貿易を維持するルールに基づいた意味のある改革の推進に取り組んでいる」と述べた。

具体的な協力分野としては、米国がWTO上級委員会の委員再任を拒否していることによって機能不全に陥っている紛争処理機構の整備などが浮上しそうだ。

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