6月26日、インドと米国の貿易交渉が暗礁に乗り上げている。自動車部品や鉄鋼、農産物の関税を巡る意見対立が原因だ。写真はホワイトハウスで共同記者会見に臨むトランプ米大統領とインドのモディ首相。2月13日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ニューデリー 26日 ロイター] – インドと米国の貿易交渉が暗礁に乗り上げている。自動車部品や鉄鋼、農産物の関税を巡る意見対立が原因だ。事情に詳しい複数のインド政府高官が明らかにした。
トランプ米大統領が定めた「相互関税」上乗せ分の停止期間が終了する7月9日までの合意は難しくなり、交渉は当初の楽観ムードが一変した形。以前トランプ氏は、インド政府が米国製品に対する「関税ゼロ」で合意したと主張し、両国政府からはインドが初めて米国と関税問題で合意する国になり得るとの観測まで出ていた。
3人のインド政府高官はロイターに、インドは米国に対して7月9日に発動される相互関税26%の撤回と、鉄鋼・自動車部品の関税引き下げを要求しているものの、米国側はなお応じていないと説明した。
高官の1人は「米国サイドはまずインドが大豆やトウモロコシ、自動車、アルコール飲料などの関税をより大幅に下げ、非関税障壁も緩和すると約束することを望んでいる」と述べ、それが両国に溝を生んでいると分析した。
2人目の高官は、7月9日より前にインド代表団が米首都ワシントンを訪れる見通しだが、協議の重点は暫定的な取引を急ぐのではなく、もっと幅広い合意を目指す方向に移るかもしれないと予想した。
最初の高官は「われわれには熱意があるとはいえ、7月9日前に取引を結ぶことを切望しているわけではない」と語り、2人目の高官は「複数回にわたるこれまでの話し合いにもかかわらず、状況は大して進展していない」と指摘した。
インド政府系シンクタンク、インド外国貿易研究所を率いるラム・シン氏は「ボールは米国側にある。インドはどちらが一方だけが得をする貿易協定には賛成しない」と強調した。
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